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店内は、女性が多い。昼からワインのボトルを開けている人も

店内で食事をしていて気づくのが、女性が多いことだ。訪店時、右隣は30代らしきカップル、左隣は、40代と思しきマダムの2人連れ。テーブルには女性客2人もいた。そのすべてが昼飲みをしているのだ。中でも左のマダムたちは、昼から赤ワインを開け、熱心におしゃべりをしながら、天ぷらとワインを消化していく。聞き耳を立てていると、「協力金が」とか「時短が」とか、素人とは思えない言葉が聞こえて来る。もしかすると、銀座周辺で飲食店を経営する本物の「マダム」かもしれない。

同店の人気の秘密は、「いくらカナッペ」のようなユニークな天ぷらが豊富なことに尽きる。

パルミジャーノ・レッジャーノを目の前でかけてくれる「アスパラ~パルミジャーノ~」(290円)

「アスパラ~パルミジャーノ~」(290円)は、アスパラガスを一本天ぷらにして、それをカウンターに置き、上からイタリア産のチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノを目の前でかけてくれる。古くからあるプレゼン手法だが、なぜか楽しくなる。そして飲んべえにうれしいのは、たっぷりかけてくれるので、アスパラを食べ終わったあとに残ったパルミジャーノをつまみにできることだ。セコくてすみません。

面白い料理は、枚挙にいとまがない。

「ナス~プロシュート~」(290円)という天ぷらもある。縦4分の1に切ったナスの天ぷらを生ハムで巻いたものだ。単純だが、意外とほかでは見たことがない。素揚げに近いナスに生ハムの塩味がよくマッチする。

左:「鱈(たら)~からすみ~」(290円)、右:「ナス~プロシュート~」(290円)。ナスは軽くブラックペッパーを振ってあり、それがアクセントになる

「鱈(たら)~からすみ」(290円)もそうだ。旬のタラを半生風に軟らかく揚げ、そこにカラスミの粉末を掛けてある。こちらもカラスミの味が効いて、天つゆの必要がない。

気づくと、天つゆをこれまで全く使っていなかった。それぞれの料理が完結していて、わざわざ天つゆを使う必要がなかったのだ。中・高級のすし店は近年、こうした提供法をする店が増えているが、天つゆに頼らない天ぷらを提案しているところが同店人気の秘密だろう。

既にスパークリングと白赤のグラスワインを飲んで、いい気分だ。最後にシメのご飯に行きたいところ。ここでも同店は、ニクい仕掛けをしている。「玉天丼」(290円)というメニューだ。小ぶりなご飯茶わんに卵の半熟天ぷらをのせ、ミツバとノリを散らしている。お供の「あおさの味噌汁」はわずか100円。390円でおなかも心も満足な昼飲みができた。

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