STU48新シングル、四拍子と三拍子交錯 お風呂で練習
瀬戸内7県を拠点に活動するSTU48が2月17日に6thシングル『独り言で語るくらいなら』をリリースした。本作で初めてセンターに立つのは19歳の1期生、石田千穂。デビュー当初のポジションは後列だったが、一見おっとりした雰囲気ながら歌もダンスもスキルが高いというギャップのあるキャラクターから徐々に人気を高め、2020年1月にはソロコンサートを開催、同年12月に初の写真集発売と話題が続いての抜てきとなった。石田千穂と昨年1月からキャプテンとしてSTU48を引っ張る今村美月に聞いた。
石田 初めてセンターに立つ『独り言で語るくらいなら』は、メロディーをまず聴いて。今までは瀬戸内の風景が浮かぶような爽やかな感じが多かったんですけど、今回はサビで三拍子に転調したり、新しいなと思いました。
今村 最初の印象は壮大で幻想的な楽曲だなということです。三拍子と四拍子が入り交じっているから歌うのが難しそうだなと思っていたら、レコーディング前にスタッフさんから「高難度の楽曲なので、事前にしっかり練習を」という連絡があって。
石田 歌い出しは私のソロパートなので、お風呂の中で毎日練習していました。そのかいあって、レコーディングではうまく歌えたと思います。歌詞のテーマもこれまでとは違っていて。ちょっとした反抗心から学校とは逆方向の電車に乗って、心細さもあったけど終着駅で「独り言で語るくらいならば/黙ったまま何かしよう」という抱いたことがなかった気持ちになる。そんな成長していく様子を表現しているんだと思います。
今村 私は、言葉だけでなく行動しようという"自発ソング"だなって受け止めました。私もキャプテンになって、新しいことをしてみたいと頭の中では考えても、コロナ禍のなかでなかなか形にできていなくて。私たちが歌うことでみなさんが一歩踏み出すきっかけになれたらうれしいし、自分でも気付きがあるなと感じました。この楽曲は本当にセンターの千穂ちゃんを表していると思います。昨年のステイホーム期間も1人での公演配信を続けたりと、行動してきた"千穂ちゃんソング"だなって。
石田 うれしいです(笑)。目標とか夢とかやりたいことが見つかったら言うように心掛けて活動していたので。2番のサビ「始めるのは語ってるだけより/意味あることだと思う」は自分の気持ちにも重なるなって共感しています。
もう1人の自分を表現
ミュージックビデオは初めてスタジオでの撮影に挑戦した。テーマは「もう1人の自分」。鏡合わせのように上下に映ったダンスや、ワイヤーを駆使して石田千穂が宙を舞う演技が見どころだ。
今村 スタッフさんから「上下に映っているのは別世界の自分たち」というお話がありました。私は、下の部分の振りでは見上げるしぐさがあるので、下が今の自分。上は目指しているこれからの自分だと思って踊りました。
石田 そうなんだ。私は上が自分の脳内で、下がみなさんから見えている自分。そして、ワイヤーを使った上下の私が触れ合うシーンでは、上が天女さまで「迎えに来たよ」みたいな気持ちで演じていました。
今村 この『独り言で語るくらいなら』もそうですが、STU48はチャレンジを続けていきたい。今春には船上劇場の定期公演が終了しますが、その前にメンバー全員がソロでダンスやMC、朗読など、何でも好きなことで今の見せたい自分を披露するような、船上劇場との思い出を作る場ができたらいいなと思っています。それから、新しいSTU48の形を探っていけたらいいですね。
石田 私は、昨年から事務所に所属させてもらっていますが(ツインプラネットの女優・俳優セクション「ワイルドプラネット」)、まだグループを離れて1人でお芝居をしたことがないので、今年は挑戦してみたい。それでSTU48を知ってもらうきっかけになれればうれしいです。
ミュージックビデオのスタジオで撮影したパートでは、これまでは少なかった、メンバー個々が生き生きとした表情を見せるリップシーンもふんだんにある。広島県呉市の野外ロケシーンには石田千穂、瀧野由美子、薮下楓、岩田陽菜の4人が参加。(キング/Type A~B・DVD付各1591円・劇場盤1045円・いずれも税別)
(日経エンタテインメント! 伊藤哲郎)
[日経エンタテインメント! 2021年3月号の記事を再構成]
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