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ビジネス書棚の目に付く高さに設けた面陳列棚に展示する(リブロ汐留シオサイト店)

ビジネス書棚の目に付く高さに設けた面陳列棚に展示する(リブロ汐留シオサイト店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測しているリブロ汐留シオサイト店だ。緊急事態宣言は延長されてなお続いているが、汐留地区の人の流れは週末を中心に回復基調だという。だが、週末は店を閉めていることもあって、ビジネス書の売り上げ回復にはつながってこない。そんなもどかしさの中、書店員が注目したのは、コロナ禍で一気に進んだ様々な変化を見すえて買い物の未来を考察した電子商取引(EC)支援企業の幹部による著作だった。

著者はEC支援企業いつもの副社長

その本は望月智之『買い物ゼロ秒時代の未来地図』(クロスメディア・パブリッシング)。著者の望月氏は2020年末に東証マザーズに上場したEC支援企業、いつもの共同創業者で副社長を務め、企業のEC進出支援やコンサルティングで豊富な実績がある。その知見をもとに10年後、2030年の買い物の未来を買い手の体験という視点から予測してみせたのがこの本だ。新型コロナウイルスの感染が広がる直前の19年11月に『2025年、人は「買い物」をしなくなる』という本を出しており、その「生活者編」というのが本書の位置づけだ。

著者は前著で、店に行くことや現金を用意することなど、様々な買い物のプロセスが大幅に省略され、やがて「買い物している」という感覚さえ消える2025年を描き出した。本書が指摘するのは、2025年にこうなると予測していたことがコロナ禍によって「5年も前倒しで起こり始めている」事態である。

「100%ネットで買い物男」「急増した近所とオンラインの買い物」――こうしたコロナ禍で現れた2020年の買い物の光景を拾いながら、実店舗からデジタルへの移行が加速する現在進行形の買い物の未来地図を示してみせる。行く、選ぶ、調べる、覚える……これまでの買い物プロセスいちいちのわずらわしさを取り払う方向でデジタルを活用するのがこの未来地図のありようだ。

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