経営難の続く銚子電鉄 陰で支える慶応OBの不思議な縁竹本勝紀・銚子電気鉄道社長(下)

竹本勝紀・銚子電気鉄道社長
竹本勝紀・銚子電気鉄道社長

数々の経営難を乗り越えてきたローカル鉄道、銚子電気鉄道(千葉県銚子市)社長の竹本勝紀さん(58)。慶応義塾高校(横浜市、塾高)から慶大経済学部卒業後に地元千葉県の税理士となった。不可思議な縁で経営難の銚電の経営者に。波瀾(はらん)万丈の人生は慶応OBパワーに支えられている。

40歳のとき、ある弁護士との運命的な出会いがあった。

「つぶれそうな会社がある。手伝ってもらえないか」。千葉市で税理士をやっていた私は、ある弁護士さんからそう声をかけられました。実はある顧客絡みの裁判でこちらが被告となり、その弁護士さんは原告側の代理人だったのですが、裁判が終わった後、「昨日の敵は今日の友。竹本さんは本当に顧客のために一生懸命やる税理士だということが分かった」と協力を求められました。

その方は経営難に陥った銚電の顧問弁護士をされていました。しかも元社長の横領事件で銚電はいわれもない約1億円の借金を抱えているといいます。事件を起こしたので自治体の補助金は下りないし、新規融資も受けられず、弁護士が「破産手続きしたくてもそのための予納金も払えない」という悲惨な状況でした。子供の頃は鉄道好きだったし、これも何かの縁だと思い、2005年から顧問税理士として再建に関わることにしました。

会計帳簿を見て、驚きました。手書きの上、借方と貸方の項目を逆に書き込んでいます。経理課長はニコニコしながら「前からどうもおかしいと思ってたんですよね」。まず会計ソフトを入れて、会計情報を迅速に正確に把握するところから始まりました。次いで無償減資により資本金を1億円以下にして税制上の優遇措置を活用、複数の政府系金融機関と交渉し計7千万円を調達しました。

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