デザイン思考の情報処理 ビジュアル使いざっくり把握デザイナーから学ぶ新たな切り口の作り方(3)

写真はイメージ=PIXTA
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「デザインの世界には、ビジネスマンが日々の仕事の中で新たな価値を創るためのノウハウがたくさん存在しています」。日本でのデザイン思考の第一人者といわれる佐宗邦威氏はこう言います。先ごろ大幅に加筆修正して文庫化された同氏の著書『世界のトップデザインスクールが教えるデザイン思考の授業』(日経ビジネス人文庫)から、デザイン思考の入り口となる思考法を紹介します。

消化効率・ビジュアルシンキングでざっくり把握する

デザイン思考を実践し始めると、大量の情報を処理する状態になります。多くの人が、創造的な思考をやらない最大の理由の1つは、この情報処理の大変さにあります。しかし、実はこの情報処理にはコツがあります。デザイナーは、全ての情報を処理するのではなく、膨大な全体を見渡して「ざっくり」把握をするのです。この膨大な情報の消化効率を上げるためにビジュアルを使ってシンプルにまとめるテクニックが非常に有効です。

有効なものの1つには、ビジュアルで考えビジュアルで理解するという思考法「ビジュアルシンキング」があります。

実は、ビジュアルシンキングは、ノートの取り方を変えるだけで実行することができます。

右の写真は、留学の後半にユーザー観察の授業で私が取っていたノートの一部分です。イラストが入っていますが、これは先生の板書を書き写したものではなく、先生が口頭で説明した話を自分なりにイメージして、イラストでノートを取ったものになります。

美大出身ではないデザイナー向けのビジュアルシンキングの教本としては、『The Back of the Napkin(邦訳:描いて売り込め! 超ビジュアルシンキング)』(ダン・ローム著、講談社、2009)が大変な人気です。欧米ではレストランで出てくるナプキンにメモを取る人も多いのですが、話が盛り上がっているうちに、どうせならその内容を文字ではなくビジュアルでナプキンにメモしてしまおうという内容です。

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