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10年で7回の転職を経験した経営コンサルタントの村井庸介さん

10年で7回の転職を経験した経営コンサルタントの村井庸介さん

人生100年時代を迎え終身雇用も崩壊しつつある中、自律的にキャリアを築いていくためにはどうすればいいのだろうか。10年で7回の転職を経験した経営コンサルタントの村井庸介さんは、これからの時代のキャリアアップで重要になるキーワードは「掛け算」だと説く。

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――3~4回目の転職から「正攻法」に気付き始めたそうですね。

5社目でグリーに入社したのですが、当時の同社は海外展開に力を入れる一方、売り上げが落ち、管理部門のスリム化が課題になっていました。同社は4社目で勤めていたベンチャー企業の取引先で、私はコンサルティングの経験を買われて入社。管理部門のリストラと、その後の業務プロセスの効率化などを任されました。

ここで実感したのは、複数分野の経験を持ち、それらをつなぐことができる人材の貴重さです。僕は人事部に籍があったのですが、会社全体の成長を見据えての改革プロジェクトなので、経営企画の視点がなければ、必要な人材や適切な組織形態のビジョンを描けない。決められた期間内で設計・実現していくためには、さまざまな部署の間を行き来して折衝するスキルも求められる。このとき、「これは誰にでもできる仕事ではない。今までの自分の経験を総動員することで、貢献できている」という実感を持つことができました。

キャリアアップの実現に重要なのは、自分の希少価値を自覚的に高めていくこと。そのためには、一つの分野の仕事を積み上げていく「足し算キャリア」より、異分野の経験を蓄えていく「掛け算キャリア」が有効です。

このことに気付いて以降、一時は300万円台に落ちた年収も増加傾向に転じ、1千万円を超えるように。現在は独立していますが、その水準を保っています。

転職は「足し算」と「掛け算」で考える

――「足し算」と「掛け算」。違いをもう少し詳しく教えてください。

「足し算」は、「人事」「マーケティング」といった特定の各職種の中で、長期間にわたり経験を積んでいくキャリアです。タスクの数をこなしていって、その道のスペシャリストを目指す方向性ですね。

一方、もともと人事の仕事をしていた人が、営業やマーケティングなど異なる職種に挑戦してみたり、職種は同じでも業種を変えてみたりするのが「掛け算」です。つまり、それまでに積み上げてきたのとは異なるタイプの経験値を、戦略的に取りにいく。先ほどの僕の事例のように、複数分野を経験することで「○○に強い人事」といった「旗」を立てやすくなります。また、多角的な視点を取り込むと、新しいアイデアも生まれやすくなります。

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