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尾上松也 もがいた時期に勇気くれた亡父の「薬味箱」

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NIKKEI STYLE

5歳で初舞台を踏み、『半沢直樹』などのドラマや映画でも活躍してきた歌舞伎俳優の尾上松也さん。持参してくれたのは、20歳のときに亡くなった父・尾上松助さんから受け継いだ家紋入りの「薬味箱」だ。うどん・そばなどの薬味を入れる箱だが、歌舞伎俳優が化粧をする際に、パレットのように使うことも多いという。

苦境の時代に勇気をくれた、薬味箱

「この薬味箱はうちの父親が使っていたもので、亡くなってしばらくして使わせてもらうようになりました。形見で今使っているのは、これと鏡台くらいです。いつごろ、どうやって手に入れたのか分からないのですが、僕が物心ついたときには父親が使っていましたね。父は左利きでしたので、右手でこの薬味箱を持って、左の指でちょん、ちょん、ちょんとお化粧をしている姿をよく見ていました。

今入れている色は、墨と紫色かな? そのときの役に合わせて、よく使う色を使いやすいように入れておきます。色は、ミックスして使うことが多いですね。混ぜるのは基本的にお弟子さん。『こういう色にしてほしい』とリクエストしておいて、しっくりこないときは自分で色を足したりします」

歌舞伎俳優は、自分で化粧をするのが基本。松也さんが自分の道具を持って化粧するようになったのは、高校時代からだという。

「誰かがやり方を教えてくれるわけでもないので、先輩方を見て、学ぶしかない。若い頃は、先輩方がお化粧なさっているところに何回もお邪魔して、見せていただきましたね。そうして見よう見まねでやりながら、『もうちょっと、こうした方がいいよ』とアドバイスをいただきますが、それぞれが自分に合った方法や好みを見つけていきます。経験を積むと、自分の使いやすい筆や肌に合う化粧品が分かってきます。僕なんかは三善(舞台用化粧品で知られるメーカー)さんの普通の筆を使っていますが、『まゆ毛は絵画用の筆がいい』と言う方もいらして、人それぞれです。

薬味箱は、もともと既製品のタッパーみたいなものを使っていたのですが、20代の半ばから、父の薬味箱を使うようになりました。その頃はずっと、もがいていたんですよ。オーディションを受けても全然受からず、心が折れそうになっていたんでしょうね。誰かに背中を押してもらいたい、力になってもらいたいと思ったときに、父の鏡台や薬味箱が目に入って使うようになりました。もちろん、それで急にうまくいくようになったわけではないですが、気持ち的には、とても勇気をもらったような気がしましたね。今でもこれを見るたびに父のことを思い出しますし、気持ちがアガるところがあります」

金魚すくいのコツは、待つこと

3月12日公開の初主演映画は、『すくってごらん』。ウォン・カーウァイ監督設立の映画祭「Journeys Awards」で審査員グランプリを受賞した気鋭・真壁幸紀監督が、「このマンガがすごい!2015」(オンナ編)にランクインした同名マンガを映画化した作品だ。松也さんは、左遷されてやって来た田舎町で、金魚すくい屋の美女・吉乃(百田夏菜子)らと出会って成長する銀行員・香芝誠を演じる。

「ずっと映画に出演したかったのですが、まとまった時間が取れないと難しい。今回はタイミングが良く、しかもまさかの主演という立場で参加させていただけるということで、お話をいただいたときはとてもうれしかったです。

脚本は非常にトリッキーで、急にラップでセリフを言ったり、歌ったり踊ったりする。しかもラップのシーンだけ、なぜか全編英語なんですよ。今までにないチャレンジングな作品を作ろうという心意気に、自分としてはグッときましたね」

「香芝は、ちょっと歪んだプライドや偏見が混在していて、人と素直に向き合いきれない銀行マン。僕自身も香芝と同じようにコンプレックスを抱えながらやってきましたので、共感できるところがありました。観客のみなさんにも共感していただけるように、うまく表現できたらいいなと思いました」

役作りで力を入れたのは、金魚すくい。水に漬けると破れやすくなる「ポイ」と呼ばれる道具を片手に、練習を繰り返したという。

「ある程度サクッとすくえるようにしておかないと撮影がスムーズにいかないので、事前に練習しました。コツは、待つことです。金魚すくいって、たくさん取りたいと思うから、どうしても追いかけてしまうじゃないですか。ですが、そうするとすぐにポイが破れてしまう。心を落ち着かせて、追わない、焦らない。ポイの上に自然と乗ってくるのを待って、すくい上げるイメージです。少しでも破れたら諦めがちですが、ベテランのみなさんには、その概念がないんですよ。ポイがひとかけらでも残っていたら、そこに引っ掛けてすくおうとする。人生も、諦めたら終わりですよね? 金魚すくいと出合って考え方が変わっていく、香芝の気持ちがよく分かる気がしました。

撮影は、奈良県で1カ月弱。その間、毎日みんなで顔を合わせて、この作品のことだけを考えて日々を過ごす。映画作りの醍醐味を改めて感じましたし、本当にスタッフ、キャストのみなさんに恵まれて幸せでした。歌も良い曲ばかりで、監督がこだわっていた日本ならではの美しい映像にも感動しましたね。この映画の唯一無二感を、みなさんに感じていただきたい。僕にとっては、一生忘れられない映画になりました」

1カ月に10足以上、ナイキ愛が止まらない

無類のスイーツ好きとして知られ、2014年には「有田焼風鈴(ぷりん)あんみつ」をプロデュース。17年には甘味好きな営業マンを演じた『さぼリーマン甘太朗』で連ドラ初主演。好きなものを仕事につなげた松也さん。今ハマっているのは、スニーカーだという。

「僕には一時的にガッと何かにハマるときがあって、フィギュアやアロマキャンドルにもハマってきました。今はとにかくスニーカーです。今月だけで、20足くらい買いましたからね。ブランドは、ナイキオンリー。今後も、ナイキ以外に手を広げるつもりはないです。なぜかというと、キリがないから。

最近買って良かったのは『エア ジョーダン12』。あとは、『エア モア アップテンポ』も良かった。購入は、今はネットが多いです。インターホンが鳴るたびに、気分がアガります。たまにナイキショップに行ったり、ABCマートに行ったりもしますけど、行くとたくさん買いたくなってしまうので、あまり行かないようにしています」

「買いすぎるので、今はネットも見ないようにしている」と笑う。なぜ、それほどスニーカーに引きつけられるのか。

「やはり、憧れじゃないですかね。ナイキは僕らが小・中学生の頃に大人気で、バスケをやっていなくても『エア マックス』が欲しいくらい、誰もが通ってきた道でしたから。でも当時の僕は、買えなかった。それが大人になって買えるようになったので、今、あの頃の憧れが爆発している感じなんだと思います。

今、欲しいものですか? 『エア ジョーダン19』。すごくカッコイイんですよ。ただ、ちょっと高いので、何かをがんばったときのご褒美に買いたいなと。スニーカーをプロデュースですか? ここまで来ると、そういう気持ちも出てきますねぇ。だから今、いろいろなところで積極的に言っておこうと思って、今もこのようにお話をさせていただいています。誰が見ているか、分からないので(笑)」

尾上松也
1985年生まれ、東京都出身。90年に二代目尾上松也を名乗り初舞台。2009年から歌舞伎自主公演「挑む」を主宰。オリジナル公演「百傾繚乱」にも取り組む。12年に蜷川幸雄演出の『ボクの四谷怪談』に出演以降、ミュージカルにも出演。18年には劇団☆新感線『メタルマクベスdisc2』に主演した。19年に俳優の山崎育三郎、城田優とともに「IMY(あいまい)」を結成し、ミュージカルや演劇の新たな形を探る。映画やドラマにも多数出演。20年はTBS日曜劇場『半沢直樹』にIT社長・瀬名洋介役で出演して脚光を浴びた。

『すくってごらん』

メガバンクのエリート銀行員・香芝誠が、左遷されて片田舎の町へ。その町の唯一の娯楽は金魚すくいで、人々は3分で何匹すくえるかを競い合っていた。香芝は金魚すくいの店「紅燈屋」を営む美女・生駒吉乃に引かれ、やがて金魚すくいの奥深さにも気付いていく。しかし吉乃には、思いを寄せる男性がいた……。監督・真壁幸紀 脚本・土城温美 音楽:鈴木大輔 原作・大谷紀子『すくってごらん』(講談社『BELOVE』所載) 出演・尾上松也、百田夏菜子、柿澤勇人、石田ニコル、矢崎広、大窪人衛、清水みさと、辻本みず希、北山雅康、鴨鈴女、やのぱん、竹井亮介、川野直輝、笑福亭鶴光 3月12日全国ロードショー

(文 泊貴洋、写真 藤本和史)

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