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Bリーグチェアマン 島田慎二氏

Bリーグチェアマン 島田慎二氏

2016年の開幕以来、右肩上がりで成長を続ける男子プロバスケットボールのジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(JPBL、Bリーグ)。門外漢の旅行業界から飛び込み、千葉ジェッツをリーグ随一の人気クラブへと育てた島田慎二氏は昨夏、リーグの3代目チェアマンに就任した。新型コロナウイルス禍で前例のない事態に直面しながら決断を迫られる日々だ。「覚悟と分かりづらさを解きほぐすこと」を軸にリーダーシップを発揮している。

(下)「組織は何のため?」常に問う 利己的な自分を全否定>>

――リーダーの条件をどのように考えますか。

「一番大事なことは覚悟だと思います。私は有言実行派。目標を設定し、強い覚悟を持ち、行動し、必ず結果を出す。この4点セットが必要です。昨年、チェアマンに就任した時も、秋に控えたリーグ戦に向けて、『たとえ無観客でも開催したい』と強調して、全選手への定期的なPCR検査など社会の理解を得られるようベストを尽くしてきました。ここまでクラスターの発生はなく、収容上限50%でファンを会場に入れて興行しています。昨季(19-20年シーズン)はリーグ戦が途中で打ち切りとなったので、まずは現在後半戦に入っている今季(20-21年シーズン)のリーグ戦全日程の消化が大きな目標です」

「徹底した情報公開も欠かせません。例えば1月にはオールスターゲームを開催直前に中止すると決めて、2月はカタールでの国際大会に日本代表に選ばれたBリーグの選手を派遣する予定でしたが、結果として大会は中止になりました。それらの際に、経緯を詳しく説明するための記者会見をユーチューブで生配信しました」

現状維持なら人生をかける意味がない

「特に代表戦では、国際競技団体から『コロナ禍でも出場は義務だ』と言われたのです。一方、感染への不安や帰国後しばらくリーグ戦に出場できなくなることから、一部の選手やクラブからは『参加を見送りたい』という意向が示されて、非常に難しい判断を迫られました。大会が中止となるまで、SNS(交流サイト)などにファンから『分かりづらい』という声があふれ、チェアマンとして『これはいけない』と強く感じました。かつての日本のプロスポーツ界なら、代表選考に関することを公にはしなかったでしょう。でも今の時代、ファンは熱量を持って応援してくれています。業界内の邪念とか、暗い部分が見え隠れしたとたん、ファンはBリーグそのものに感情移入ができなくなってしまうと考えたのです」

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