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オンライン面接の定着も身元照会が増える背景にあるという

オンライン面接の定着も身元照会が増える背景にあるという

「あなたを採用する方向で考えています。つきましては、最終面接の前に、これまであなたと一緒に働いた上司か同僚の方に、あなたのお仕事ぶりについてインタビューをさせてください」――。転職活動のプロセスで、選考が進んでいる企業からそう言われたら、あなたはどう思いますか。

「まずい」と焦るでしょうか、それとも「自分を理解してもらえる」と安心するでしょうか。

これは仮の話ではなく、実際の中途採用選考プロセスで最近よく見かけるようになってきたシーンです。これからの時代には一般化していくだろうと、私はみています。

実際、私が転職エージェントとして企業と求職者のマッチングを行う際、企業側から「採用候補者のレファレンスチェックをしたい」と求められるケースが増えてきました。「レファレンスチェック」とは、いわば「身元照会」。求人企業が応募者の現勤務先や前の勤務先に問い合わせをして、勤務状況や人物像などを確認する行動を指します。

これまでは主に外資系企業において、応募者の経歴や面接で話した内容に虚偽がないかどうかをチェックする目的で行われてきました。でも、最近では様子が変わってきています。

以前は応募者本人には内緒のままで、前の職場に問い合わせるのが一般的でした。しかし、現在は応募者本人に対し、「あなたのレファレンスチェックを行うので、対応してもらえる上司や同僚を紹介してください」と、じかに依頼するのです。

そうしたレファレンスチェックを支援するサービスも登場しています。代表格とされるのは、ROXXが提供する「back check(バックチェック)」。2019年10月のサービス開始から約1年で500社以上に導入され、導入企業には大手企業も含まれているそうです。

レファレンスチェックサービスを求める企業が増えている背景、活用方法、企業、応募者にとってのメリットについて、ROXXの中嶋汰朗社長に話を聞きました。

◇  ◇  ◇

森本千賀子(以下、森本) 私が採用をお手伝いしている企業では、「back check」を使い始めるケースが増えています。すべてオンラインで完結するので、「手軽に導入できる」という声をよく聞きます。どのような流れで進むのですか?

中嶋汰朗(以下、中嶋) まず企業が「back check」の専用アカウントから採用候補者に向けてレファレンスチェックの案内メールを送付します。採用候補者は画面に従い、現(元)上司や同僚の連絡先を登録することによって、「レファレンスに回答してほしい」と依頼する流れになります。依頼を受けた相手(=推薦者)は、ウェブ画面を開き、質問項目に沿って回答します。もちろん、依頼を受けた本人以外は回答できないよう、認証機能を備えています。

質問は20~30問。選択式と自由記述式があり、回答の所要時間は30~60分ほどです。

結果は「勤怠」「コミュニケーション/チームワーク」「誠実性/責任感」など複数の指標で5点満点評価が表示されます。そのほかにも、「性格」「行動特性」「強み/弱み」「ストレスを感じやすい場面」といった項目でのフリーコメントが得られます。

なお、この結果は採用候補者本人には開示されません。

採用候補者の「あら探し」をするのではなく、行動特性や強み・弱みをフラットに把握するためのツールなので、「良い」「悪い」ではなく、自社に「合う」「合わない」を判断するために利用してもらっています。

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