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スキル・経験が豊富な人材への求人が強まっている(写真はイメージ=PIXTA)

スキル・経験が豊富な人材への求人が強まっている(写真はイメージ=PIXTA)

リーマン・ショック以降、転職市場は拡大を続け、今や中高年の転職もめずらしくありません。でも、キャリアアップにつながるような転職を、どうデザインしたらいいのか悩む人は多いでしょう。今回は転職を経験してキャリアを重ね、A.T.カーニーでシニアパートナーとなった筒井 慎介さんに聞きました。

◇  ◇  ◇

まず、転職市場の現状を見てみましょう。総務省による労働力調査に基づく2020年2月の発表によると、19年の転職者数は351万人と過去最高に達しました。

企業で人手不足感が強い状況が続き、新卒採用に加えて中途・経験者採用を積極的に行う動きがみられるとのことです。

<転職者数と転職者平均年齢の推移>

出所: 総務省 労働力調査より、KEARNEY作成 ※平均年齢は、年齢階級ごとの平均年齢について15~24歳を20歳、25歳~34歳を30歳、35歳~44歳を40歳、45歳~54歳を50歳、55歳~64歳を60歳、65歳以上を70歳とした概算

確かに、20年はコロナ禍による社会影響もあり落ち込みがあったと想定されますが、08年のリーマン・ショックを経て、転職者数は増加基調を続けて06年、07年に記録した346万人を2019年には超えるまでに至っています。しかし、同時に転職者数の平均年齢も上昇を続けていて、転職市場は単に流動性が高まっているだけではないように見えます。

<2007>

出所: 総務省 労働力調査より、KEARNEY作成 ※円の大きさは、2019年の各年齢階級の転職者数

年齢階級別に見てみると、45歳以上のセグメントがいずれも転職率が増加しており転職者数の増加を支えていることが分かります。他方、44歳以下のセグメントでは、最大のボリュームゾーンである25~34歳のセグメントは分母の就業者数自体が減少しているため、転職率は0.3ポイント上昇した一方、いずれも転職者数は07年の水準には至っていません。やや、極端に解釈してみると、候補者のポテンシャルよりもより即戦力・実践的なスキル・経験を重視した採用にシフトしつつあるようにも思えます。

転職での年収変化に「メリハリ」

こうした変化は、転職による年収の変動にも見て取れます。転職により年収は変わらなかったとする層が最大であることに変わりはありませんが、その比率は過去10年で10ポイント程度減少しています。一方、年収が1割以上増えたとする層と年収が1割以上減ったとする層それぞれが増加し、転職による年収の変動に従来以上にメリハリがつくようになっています。

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