アウトドアブランドの人気に伴い、近年ミリタリーウエアに注目が集まっている。激しい動きを考慮した高い機動性や耐久性は、昨今流行のキャンプにも最適だ。しかし、カーゴパンツやファティーグジャケットといったミリタリーの王道は、コーディネート次第で「コスプレ」的な印象を与えかねない。現行品からヴィンテージまで多種多様なアイテムがあり、慣れない人にはハードルが高い面もある。カジュアルスタイルに適した一着を選ぶには、どこに気をつければいいのだろう。東京都目黒区の東急電鉄都立大学駅近くにあるPOST78(ポスト78)の松本稔さんに聞いた。
実用性が生む機能美 まずは黒かネイビーを
――「POST78」ではミリタリーアイテムを多く取り扱っています。魅力はどこにありますか?
「戦闘も考えて作られた服なので、ストレスなく動ける点ですね。例えば、可動域を広げるダーツ(生地の一部をつまんで縫い、立体感を出す仕様)や肘当て、大ぶりなポケットなどのディテールです。それがデザイン性につながっている点もおもしろい。もはや“機能美”と言えますね。実際、多くのブランドがミリタリーウエアを参考にしています」
――ミリタリーウエアを初めて購入する場合、どういった点に注目するといいでしょう?
「まずは色ですね。オリーブよりはブラックやネイビーがおすすめです。ミリタリー感が強すぎず、コーディネートをシックにまとめてくれます」
――おすすめの商品は?
「手ごろさで言えば、米軍にも納入していたメーカーであるPROPPER(プロッパー)のパンツです。構造は米陸軍のものとほぼ一緒ですが、一般人でも着やすいようにシルエットがやや細めに作られています。価格も8800円で、挑戦しやすい」
「あとはロシア軍のスリーピングシャツ。その名の通り寝間着なのですが、ゆったりしたサイズ感と上品なヘンリーネックの首元が魅力です。裏地が起毛してあるので、着心地がよく、ほどよい保温性があります。春先や初夏に一枚で着るにはいいですね。5年前から取り扱っていますが、累計で1000枚以上売れたほどの人気です」

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