ビジカジもOK 英海軍のカーゴパンツ
――2組目はネイビーのカーゴパンツを使った着こなしです。
「英海軍のものです。なんといってもシルエットがきれいです。光沢感のある生地や落ち着いた色味も含めて上品ですね」

――一見、ミリタリーウエアと分からないほどです。着こなす上で、どんな工夫がありますか?
「サイドのポケットがアクセントになっているので、トップスにはシンプルなコットン素材のニットを合わせています。色は、春らしいベージュにしました。淡い色は今年のトレンドでもありますしね。ほかには、黒やグレー、オレンジなんかもおすすめです」
――コーディネートへの取り入れやすさも、このパンツの魅力なのですね。
「そうですね。トップスをハイゲージニット(編み目の細かいニット)に変えて、ジャケットを羽織ればビジネスカジュアルにも取り入れられます」
――トップスは日本発のブランドcrepuscule(クレプスキュール)のものですね。
「7年前に『POST78』がオープンした頃から取り扱っているブランドです。洗濯可能なコットン素材と個性的な色使いが特徴です。ゆとりのあるシルエットはトレンド感があり、カジュアルなニットをお探しなら、ぜひ注目してほしいブランドですね」
――シルエットのバランスも秀逸です。
「トップス同様にボトムスも少しゆったりしているので、コーディネート全体にほどよいリラックス感が生まれます。ちなみに上下で色のメリハリを付けているのは、だらしない印象を与えないためです」
黒ジャケット ヨーロッパのテイストでシックに
――最後は黒のミリタリージャケットを使ったコーディネートです。
「ジャングルファティーグジャケットという、米軍の薄手のジャケットです。市場に出回るのはカーキが多いのですが、今回は軍事演習で敵国の役をやるために作られた、黒のものを選んでいます」

――ミリタリーウエアらしさが薄まっていて、洗練された印象です。他のアイテムについても教えてください。
「ボトムスには英国のTENDER Co.(テンダー)のデニムパンツ、インナーにはイタリアのgicipi(ジチピ)のカットソーを選びました。どちらも王道のアイテムですが、質感や色使いにはヨーロッパのブランドらしい上品さがありますね。“アメカジ”的なテイストで統一しないところも、ミリタリーウエアを着こなす上で大事かと思います」
――デニムパンツの裾はロールアップした方がいいのでしょうか?
「足元はすっきり見せた方がいいですね。テンダーは二重にまくり上げる『ダブルターンアップ』というロールアップの方法を推奨しています。産業革命時代に英国の労働者の間ではやったそうです。そういったうんちくを抜きにしても、コーディネートのアクセントになるので、おすすめしたいですね」
――シューズはParaboot(パラブーツ)ですね。
「足元はレザーシューズで大人らしく見せています。そして何より、僕自身、普段からよく着ているから。取り入れるだけでコーディネート全体がすっきりまとまるので、困ったときには頼ってしまいますね」
※表示価格は税抜き。
文:FACY編集部 山梨幸輝(https://facy.jp/) 写真:加藤潤

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