期末にアピールすべきは達成度ではなく絶対値

1つ目のポイントは、自分たちが生み出してきた成果をしっかりとアピールするという点です。

もちろんこれまでもそうしてきた、とお考えの方も多いでしょう。しかしこれまでアピールしてきたのは「達成度」ではなかったでしょうか。

というのも、大半の会社で導入している人事評価の仕組み=目標管理制度では、期初に立てた目標に対し、期末にその達成状況を確認することがあたりまえだからです。だから評価をする側もされる側も、やるべきことをやったかどうか、という観点から成果を判断するようになりがちです。

しかし2020年度においては、売り上げや利益といった定量的に測れる指標においても、混乱が生じました。

たとえばある業界では売り上げは減少したものの、政府からの支援金などで利益がかさ上げされ、結果として減収増益となった場合もあります。

また別の業界では、緊急事態宣言期間は売り上げも利益も壊滅的になったものの、緊急事態宣言が発出されていない期間には逆に大幅な売り上げ、利益の増加を実現した場合もあります。

このような状況下では、「目標」に対する「達成度」では評価ができません。

となると何で評価するかといえば、そもそもどんな成果を生み出したのかという成果の「絶対値」こそがその基準になります。

ではその絶対値は何を基準に考えるかといえば、個人としては今処遇を受けている等級や役職であり、そこで負っている責任の大きさです。たとえば課長として部下10人を統括していて、そこで年間かかっている経費が人件費を含めて1億円だとしましょう。会社が存続してゆくためには、その経費を補うだけの粗利益と、できればそれを超える利益額が求められます。

目標がどれだけだったのか、ということではなく、まず組織の存続のためにどれだけの成果を生み出せたのか、ということが重要な基準となるのです。

特に緊急事態下においては、絶対値としての成果こそが求められるのですから。

自発的なコミュニケーションで伝える

2つ目のポイントは、不足しがちになっているコミュニケーション機会の補完です。

本来であれば、評価をする管理職側から面談機会を設けるべき、ではあるのですが、部下の人数が増えるほどにその機会は持ちづらくなります。同じ時間に同じ場所で働いている状況なら、とおりすがりの立ち話程度のことはいくらでもできました。それを表してMBWA(Management By Walking Around=歩き回るマネジメント)と定義する例もあったくらいです。

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