コロナ禍のテレビCM 震災後と異なる「スピード感」

日経エンタテインメント!

多くのエンタメ業界と同様、CM業界も新型コロナウイルスの影響を受けた。2020年のCMにはどのような変化があったのだろうか。

テレビCMの好感度などを調査するCM総合研究所の関根心太郎代表は「小池百合子都知事による外出自粛要請のあった3月下旬頃から、コロナ禍を意識したCMが見られるようになった」と言う。

ネスレ日本『キットカット』は、3月27日から香取慎吾が「いっしょにがんばりましょう」と描かれたアートを創作するCMを放送。4月17日からは大塚製薬の『ポカリスエット』が、学生たちが自宅で歌う自撮りの動画を編集した「ポカリNEO合唱」篇をオンエア。日経エンタテインメント!の「CMフォーカス」の取材で大塚製薬は「スピード感を大切にした」と答えている。

このスピード感が「コロナ禍のCMの特徴だった」と関根代表は解説する。11年の東日本大震災の直後は多くの企業がCMを自粛し、ACのCMが多く流れたが、今回はそうした傾向は比較的少なかった。「スピードをもって動くことにはリスクもあるが、プラスに働いた時の効果は大きい。厳しい状況の中でもタイムリーに発信することに価値があるんです。どの企業も“今できること”を考え、CMのメッセージが消費者の心にどのように響くのかをしっかり見極めていました」

「ポカリNEO合唱」篇 中高生が歌い踊るCMでおなじみの『ポカリスエット』。コロナ禍を逆手に取り、97人の学生の自撮り動画を組み合わせたCMを作成した。大塚製薬
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