2021/3/3

スポーツと学業の両立は、「デュアルキャリア」の経験

――診断結果によると、新たな挑戦への意欲を感じる半面、マニュアル通りに進めることが苦手なようです。どう感じますか?

「確かに、私は頑張ることと決めたことは、とことんやります。一方で、マニュアル通りやることは苦手で、そもそも、頑張ると決めたこと以外は、めんどくさく感じるタイプですね」

――就活で意識したことは何ですか。

「3つあります。まずエントリーシート(ES)では、自分のやってきたことの軸を決めて、話すことです。次に、面接のときには、できるだけ自分らしさを感じてもらえるように自然体で話すようにしました。最後に、体育会学生として、礼儀正しさは常に意識しました」

――体育会は有利だと思いましたか。

「挨拶や礼儀などがしっかりしていれば、さすが体育会学生だと受け止めてもらえる半面、できなければ、その分落胆されます。体育会学生だから就活に有利ということは、ありません。競技生活を続けながら、計画的に準備や対策を進めるのが重要だと思います。私はテニスという個人競技でしたが、団体戦も好きでした。部活の時も周りの意見を聞いて、周りがどう思っているかを常に考え、モチベーションが落ちているチームメートには、声かけもしてきました。こうした日ごろからのチームメートを思いやるコミュニケーションは、就活でも評価されました。部活に向きあう姿勢も大切にしてみてください」

◇  ◇  ◇

大野さんのように、競技、学業、就活、それぞれをしっかりやりぬくのが、体育会学生の本来の姿です。現役アスリートでありながら、大学生として学びを続けていく「デュアルキャリア」の経験は、人生100年時代を生き抜く武器になります。

そして、大野さんの行動は、体育会学生以外の皆さんにも多くの気付きを与えてくれます。スポーツに限らず、最近は様々な課外活動があります。日ごろからの学びと自らが取り組んでいることとを両立させ、計画的に準備をして、一つ一つの目標をクリアしていくことが大事です。

スポーツは勝敗がありますが、就活は勝ち負けではありません。視野を広げていくこと、新しいことに挑戦してみることが皆さんにとっての貴重なキャリア資本になるはずです。

田中研之輔
1976年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程を経て、メルボルン大学、カリフォルニア大学バークレー校で客員研究員をつとめる。日本学術振興会特別研究員(SPD:東京大学) 2008年に帰国し、法政大学キャリアデザイン学部教授。大学と企業をつなぐ連携プロジェクトを数多く手がける。企業の取締役、社外顧問を19社歴任。著書25冊。『プロティアン―70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』(日経BP社)など。最新作『ビジトレ―ミドルシニアのキャリア開発』(金子書房)
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