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著者が選んだ本と組み合わせた特設の平台で展示する(青山ブックセンター本店)

著者が選んだ本と組み合わせた特設の平台で展示する(青山ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は準定点観測書店の青山ブックセンター本店だ。緊急事態宣言以降は本のジャンルごとの売れゆきの差が大きく、ビジネス書は苦戦が続く。そんな中、書店員が注目したのは、コミュニケーションデザインでヒット企画を続けるクリエイティブディレクターが広くビジネスパーソンに向けて「クリエイティブ」の本質を語った一冊だった。

ビジネスパーソン向けにクリエイティブを解説

その本は原野守弘『ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門』(クロスメディア・パブリッシング)。著者の原野氏はNTTドコモの「森の木琴」、ゴディバの「日本は、義理チョコをやめよう。」といった評価の高い広告作品を世に送り出してきたクリエイティブディレクター。自身の「広告のつくり方」を解き明かしたのが本書だが、そうしたクリエイティブの世界では、どのように人間を理解しているのかという根源的な認識にまでさかのぼって説明を試みたのがこの本だ。

その試みを通してビジネスパーソンとクリエイティブの世界に橋を架け、ビジネスパーソンが何か新しいものをつくり出そうというときの助けになれば、というのが本書執筆の狙いだ。

クリエイティブの世界の人間観は第1章「感情に訴えろ」でじっくりと示される。著者はまず「ビジネスパーソンは、人間は論理的な生き物だと考えている。だからこそ、ビジネスの基本は『理解』だと考えている」と書く。ところが、人間は「自分という人間の中に、本人でも説明できない生き物を飼っている」。「そして実際のところ、その人間の行動は、その生き物が繰り出す『感情』に支配されている」と著者はいう。そうした人間の二重性の理解をもとにして、優れた作品を生み出すのがクリエイティブの世界だという。

論理ではなく、感情に訴える。自分の好きをもとにして世界を構築する。その好きから共感が生まれて人々を結びつけ、連帯をつくり出し、人々を大きく動かす原動力になる。こんなクリエイティブのつくり方を、自分の作品がつくられていくプロセスや強いブランドの事例などを丁寧に語りながら解き明かしていく。

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