なぜ?小動物ペット値上がり コロナで航空貨物が高騰

新型コロナウイルスにより在宅時間が増え、ペットに癒やしを求める人が増えています。人気なのが観賞用動物と呼ばれるトカゲやカメなど爬虫類、熱帯魚です。犬や猫の飼育ができない住宅事情や、世話に手がかからないことが人気の理由です。売り場を取材してみると爬虫類ではカラフルな色が人気のヤモリ、ヒョウモントカゲモドキ(通称レオパ)が1匹9800円から1万2800円に値上がりしています。 一体、なぜでしょうか。

30~40%値上がり

東京都墨田区の東京ソラマチに店を構える熱帯魚とアクアリウムの専門店「アクアフォレスト」を訪ねました。やはり人気のようですね。平日でもお客さんが切れ目なく訪れています。飼育道具を購入した男性は「熱帯魚を飼い始めたのは1、2カ月前です。家にこもることが増えてちょっと家族が欲しいかな、って思いました」と話します。こちらのお店では「コロナ前に比べて30~40%くらい値段が上がってきた」(店長の飯倉直人さん)。売り上げの多い魚ではネオンテトラが150円⇒200円、プラティは220円⇒300円となっています。

爬虫類も同様の傾向です。なぜこんなに上がったのでしょうか。爬虫類のレオパは米国や欧州から、熱帯魚は東南アジアや台湾からと、いずれも輸入がほとんどです。この輸入がコロナで大きな影響を受けました。

昨年春に世界各国でロックダウンや外出禁止令が出されました。日本も4月に1回目の緊急事態宣言が発出されました。この時期はほとんどの輸入がストップしました。 観賞用動物もほとんど日本に入らず在庫不足に陥りました。「巣ごもり」で観賞用動物を飼う人も増えた時期と重なり、価格が上昇しました。 その後、各国が経済活動を再開、観賞用動物の輸入も再開されました。ところが、ここで2つ目の理由が出てきました。

航空貨物料金が上昇

品物が入るようになったが、今度は運賃が上昇したのです。生き物は船便ではなく航空便で日本に運ばれる。 航空貨物料金の推移をみると、ロックダウン解除以降から料金が急騰しました。現在はピーク時に比べ下がっているとはいえ、まだ高値です。 この航空貨物料金の値上がりが観賞用動物の価格を押し上げています。

航空貨物に使う飛行機には荷物だけを運ぶ「貨物専用便」と、人も荷物も運ぶ「貨客混載便」があります。航空機で運ばれる荷物の6割が混載便です。旅行する人が減ったため、混載便は5~7割減便となりました。ただ、人の動きは滞っても、医療品や生活必需品、電子部品などモノの動きはそんなに減りませんでした。貨物を送るスペースが減少した結果、貨物料金が高騰した。これが観賞用動物の流通価格に反映されたのです。

値段の方程式はこうなります。観賞用動物の販売価格は「コロナで輸入激減・供給不足で値上がり、さらに航空貨物の運賃高騰で値上がり」となります。

観賞用動物の流通業者に話を聞いたところ、コロナ終息後に経済が動き始めても当面、販売価格が下がる見込みは薄そうです。観賞用動物の巨大市場、中国が輸入を再開すれば取引価格の一段の高騰は確実。航空貨物料金が下がっても、帳消しになりそうです。(BSテレ東日経モーニングプラスFTコメンテーター 村野孝直)

値段の方程式
BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラスFT」(月曜から金曜の午前7時5分から)内の特集「値段の方程式」のコーナーで取り上げたテーマに加筆しました。
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