日々の「小さな実践」を積み重ねる 田舎暮らしの心得

コロナ禍で地方移住を決める人が増えているそうだ。

私が栃木県の那須高原に引っ越したのは23年前の文化の日。小春日和だった。

引っ越しを一番喜んだのはうちの猫達かもしれない。なにしろ、持病の"お尻爆発"が突然治ってしまったのだから。正式な病名は肛門腺炎。手当てをしても何度もぶり返すことから獣医さんは、都会のマンション生活のストレスで免疫力が下がっているのかもしれないと言っていた。でも田舎でいい空気を吸えば落ち着くかもしれませんよとも。

ひと月ほどして、山に小雪が舞うようになると、本当にお尻はきれいに治った。

翌年には両親が、まだこちらの準備も整っていないうちに自己判断で引っ越してきた。すでに経営していた託児所をたたみ、まとめた荷物を来客用の寝室にさっさと運び込み、驚いている私を軽くいなし、お茶を入れて一息ついた。

もう70歳になるのだから、急な環境の変化は体に毒かもしれないよと言っておいたのに。こっちの冬は寒さが厳しいし、山道は歩くの大変だよとも言っておいたのに!本人たちは毎日雑木林の中を散策し、夜は近くの温泉に通って、腰痛が楽になるねー、とか言っている。数カ月後には太り気味だった体形が程よく締まり、コレステロール値、血圧も下がって健康診断の結果は問題無しになった。

心配して損した。そうか、二人は元々が田舎の山育ち。仕事をリタイアしてストレスフリーになった今こそ絶好調なのだ。

なのに、私だけがなぜか絶不調を続けていた。引っ越したとたん、ひどい風邪をひいたのだ。