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2021/4/4

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ダッシュボードやセンターコンソール、ドアトリムなどのデザインが変更され、より高級感が増した印象のインテリア。試乗車の内装色は「ポートランド/バーントオーク」と呼ばれる明るいベージュとダークブラウンのコンビネーションが選択されていた

考えられたユーザーインターフェース

インテリアは最高級の素材とハンドクラフトによる伝統的なベントレーの雰囲気を保ちながら、フルデジタル仕様のメーターパネルや10.9インチの高解像度センターディスプレーなどでモダナイズされた。オーディオやカーナビなどの操作は基本的にセンターディスプレーのタッチパネルで行うようになっているが、すぐ下のスイッチもあわせて使える。

エアコンやドライブモード切り替えなどもロータリー式スイッチでわかりやすい。なんでもかんでもタッチパネルでの操作に集約してデザインをすっきりと見せることが流行しているが、使いづらくなっては元も子もない。ベンテイガは洗練されたルックスと使いやすさのバランスが絶妙で、初試乗でもパパッと直感的に操れることに、さりげないおもてなしを感じた。

「ベンテイガ」のボディーサイズは全長×全幅×全高=5125×1995×1755mm、ホイールベースは2995mm。これらの数値は、登場時とほとんど変わっていない

ラグジュアリーブランドはつくり手本位なものなのだというにわか知識から、ユーザーはたとえ使いづらくても従うことを強いられるのかと勘違いしていたが、決してそうではない。競合の動向などトレンドに流されず、ユーザビリティーに重きを置くのもベントレーの持ち味なのだ。

そういった、ユーザーに寄り添うベントレーの優しい一面は、新型ベンテイガの走りにも表れていた。例えば発進時にアクセルの踏み方が少々乱雑だとしても動きは至ってスムーズ。決して鈍いわけではなく、踏めば踏んだだけ豊かなトルクが湧き出てボディーの重さを意識させず力強く加速していくのだが、ガクンとするような唐突な動きがまるでなく、どんな場面でもあくまでスムーズなのだ。

今回の試乗車はV8エンジンで、後に続く「ベンテイガ スピード」に搭載されるW12エンジンに対して最高出力は58PS、最大トルクは130N・mほど下回ることになるが、単体で乗っているかぎりはこれ以上何を望むのか? と思えるほどに頼もしい。今どきの直噴ターボは直3や直4の実用車用ユニットでも低回転域のトルクが充実していて、街なかから高速道路の巡航まで2000rpm前後でほぼこと足りてしまう。ベンテイガはそれにも増して余裕があり、高速道路の追い越しでも2000rpm以上回す必要をほとんど感じなかった。

4リッターV8ツインターボエンジンは、最高出力550PS/5750-6000rpm、最大トルク770N・m/2000-4000rpmを発生

大径・低扁平タイヤを履きこなす

100km/hの巡航は8速1500rpmで、そこから緩やかに速度を上げるために右足でアクセルペダルをそろりと踏み増していくと、シフトダウンせずともストレスなく加速していった。もう少しだけ速やかに、例えれば助手席ですやすやと寝ている人がいたとしても起こさない程度に急ぐイメージで、アクセル開度20~30%まで踏んでいくとさすがにシフトダウンしたが2000rpmをほんの少し超えたところで120km/hに達して、おそらく90km/hのスピードリミッターぎりぎりで走行しているトラックの隊列をスイスイと追い抜いていけた。

今回の試乗車には285/40ZR22サイズの「ピレリPゼロ」タイヤが装着されていた。写真のブラックペイントが施されたブライトマシン仕上げ22インチホイールは、オプションの「マリナードライビングスペック」に含まれるアイテム

こういったときも加速Gは立ち上がりが穏やかで、エンジンサウンドも遠くのほうからフォーンとささやいている程度。寝た子を起こすことなく、交通の流れを上手にリードしていくことができる。心に余裕を持って穏やかに運転しているつもりだが、意識せずとも目的地に早く着いてしまう。そんな不思議でぜいたくな移動が、ベンテイガに乗っていると自然と実現してしまう。

285/40ZR22の大径・低扁平(へんぺい)タイヤは乗り心地に有利とはいえないが、実際には夢のように快適で驚く。まさしく“BORN TO RUN”とでも言えばいいのか、たとえソールが薄い素足感覚のシューズを履いていたとしても、生まれ持った足が優れていれば最高のランナーたりえる。ベンテイガのシャシーはそういう例えをしたくなるほど高度だ。

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