答えと解説

正解は、(3)水泳 です。

若いころに骨の中にみっしりと詰まっていた成分(カルシウムやたんぱく質)は、年齢とともに徐々に減り、骨の量や、骨の密度(骨密度)が落ちていきます。自分では気が付かないうちに骨がもろくなった結果、ちょっとした衝撃で骨折するようになってしまい、要介護や寝たきりを招くことも少なくありません。年齢を重ねても強い足腰を保つためには、骨の劣化を防ぎ、骨を強くすることが大切です。

一般に女性は閉経後、男性は60歳を過ぎたころから骨密度が下がっていきます。年を取れば骨が弱くなるのも仕方がありませんが、ここで注意してほしいのは「骨は常に新しく作り替えられている」ということです。筋トレをすれば筋肉を増やせるように、生活習慣の工夫によって骨の形成を促せば、骨を強くすることができます。そしてそれは、早い時期から始めるほど効果的です。

骨がもろくなって骨折のリスクが高まる「骨粗しょう症」の危険因子には、「加齢」「閉経」「骨の材料となるカルシウムやたんぱく質などの不足」「運動不足」「低体重」「タバコ」「大量飲酒」などがあります。「糖尿病」や「遺伝的素因」も関係します。このうち、加齢や閉経、遺伝的要因などは、残念ながら自分の努力では変えることができませんが、努力次第でリスクを減らせるものもあります。その1つが運動です。

では、具体的にどんな運動をすれば骨が強くなるのでしょうか。

筋肉は筋トレで負荷をかけることで太くなるように、骨も、力学的なストレス(重力や衝撃)を加えることで強くなっていきます。骨や関節の病気に詳しい伊奈病院整形外科部長の石橋英明さんは、骨密度に効果がある運動として、「荷重運動、衝撃運動、高強度の筋力トレーニング」を挙げます。

荷重運動は、重力がしっかりかかった状態で行う運動のこと。衝撃運動とは、ジャンプなど骨に衝撃を与える運動のことです。主な運動の例を以下にご紹介します。

閉経前女性256人を対象としたメタ解析(複数の論文のデータを統合して分析した研究)では、「1日にジャンプ10回×5セット」を行うことで、骨密度が増加する、あるいは減少を抑制する効果があったと報告されています[注1]

また、43件の研究を分析した論文では、さまざまな軽い荷重運動を続けることは腰椎(背骨の腰の部分)の骨密度を上げ、ジョギング、ダンス、ジャンプなどの強い荷重運動(かつ衝撃運動)は大腿骨近位部(脚の付け根付近)の骨密度を上げることが確認されています[注2]

反対に、これらに該当しない運動の代表例は、水泳です。水中では浮力が働き、骨に対する荷重が少なくなるほか、衝撃も加わらないため、骨密度を増やす目的で行うのは勧められません。

ステイホームが長引くと、運動不足に陥りがちですが、いつまでも丈夫な足腰を保つ上で、運動不足は大敵です。ぜひ、こうした運動を積極的に取り入れていきましょう。

[注1]Babatunde OO, et al. Osteoporos Int. 2012;23:109-19.

[注2]Cochrane Database of Syst Rev. 2011;7:CD000333.

この記事は、 「40代・50代から始める、骨を強くする筋トレ6選!」https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/20/061700019/070200003/(伊藤和弘=ライター)を基に作成しました。

[日経Gooday2021年2月8日付記事を再構成]

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