「伝わらない」首相は反面教師 新常態プレゼンのコツニューノーマルのプレゼンと謝罪(上)プレゼンスコンサルタント 丸山ゆ利絵

プレゼンでは表情も伝える手段(写真はイメージ)=PIXTA
プレゼンでは表情も伝える手段(写真はイメージ)=PIXTA

ニューノーマルになっても旧態依然とした政治家の振る舞いが目に付きます。力強いメッセージを出してほしいスピーチで頼りなさを感じさせてしまったり、失言をカバーしたかった会見で傷口を広げてしまったり。「もう少し何とかできるのではないか」と思うプレゼンが多いですよね。でも、それを他人事と思っているだけではいけません。ビジネスパーソンにとってはプレゼンや話し方は大切なビジネススキル。また、いつどこで、謝罪をせねばならぬ身になるか予測できません。「できる男」であるあなたなら、かの政治家諸氏のような失敗はしないよう、最低限のお作法はおさえておきたいですね。ということで、2回に渡ってお話していきます。今回はプレゼンについてです。(この記事の〈下〉は「あの謝罪会見、なぜ炎上 TV会議でも伝わるおわび作法」




「伝わらない」は原稿読みが理由ではない

「下ばかり向いて原稿を読むだけ」「棒読み」と、我が国の首相たちは会見や答弁で批判を受けてきました。最近は下に置いた原稿を目の前のプロンプターに変え、顔を上げてお話しされています。それでも「伝わってこない」「弱い」という批判や不満がくすぶっています。

これは一般のビジネスシーンのスピーチやプレゼンでもよくあることです。話し手がただ原稿を棒読みするだけであれば、聞き手は30秒もしないうちに聞く気を無くし、両者の間に何も生まれるものなく終わります。話し手の言いたいことも思いも伝わらず、プレゼンの目的は達せません。後から上司に「もう少し話し方を工夫しなさい」と注意されるのがオチなのです。

やはり原稿やプロンプターを見てはいけないのでしょうか?

いいえ、私は必ずしもそうは思わないのです。もちろん、空で内容を全て話せるくらい、原稿を読み込むのは、素晴らしい努力だと思います。実際そのようにスピーチされている経営者やエグゼクティブの方を見ることがありますが、ただただ感心するばかりです。

しかし、そのときに感心するポイントは「内容を空で言えること」ではありません。「内容を生き生きと、自分の言葉にして話していること」なのです。原稿やプロンプターを参照しても、伝えたいことを、その思いも含めて伝えることはできます。キーポイントとなるのは「目線の使い方」「表情の変化」「声の強弱と抑揚」です。

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目線、表情、声は動いているか
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