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レシピサイトでも「ミラノ風ドリア」を再現する人が多い人気メニュー=PIXTA

イタリアといえば、イタリアンワイン&カフェレストラン「サイゼリヤ」の看板メニュー「ミラノ風ドリア」を思い浮かべる人も多いはず。これは黄色いターメリックライスの上にホワイトソース(ベシャメルソース)とミートソースとチーズをのせて焼いた料理。肉とミルクとチーズの濃厚な味の組み合わせで満足度たっぷりなのに1皿300円(税込み)という安さで圧倒的支持を得ている。

ちなみに、「ミラノ風ドリア」の価格は長く299円だったが、昨年新型コロナウイルスの感染予防対策の一環で、会計時に客が受け取る釣り銭を減らすために300円に値上げしたことが話題になった。サイゼリヤ総務部・広報の儀間智さんは、「全国で1日7万食、来店されるお客さまの3人に1人が注文される大人気商品です」と話す。そして、その誕生ストーリーも興味深い。

「店舗にあるグラタンに使っていたベシャメルソース、スパゲティに使っていたミートソースをご飯の上にかけて焼き上げて『賄い料理』として食べていたところ、お客さまから『私たちにも食べさせて』との声を受けて提供したところ好評をいただき、1983年にメニュー化されました」(儀間さん)

このミートソース(ボロネーゼソース)がイタリア・ボローニャ地方の料理なので、その近隣の都市ミラノの名前をとって「ミラノ風ドリア」となった。このような誕生のいきさつゆえ、当然のことながらミラノにミラノ風ドリアはない。

長年のファンにとっては「安定のおいしさ」「変わらぬ昭和の味」と感じているが、レシピは「1983年から現在に至るまで何百回とブラッシュアップを重ねている」(儀間さん)とのことだ。

大ヒット商品にして40年近いロングセラーの人気の秘密について聞いてみると「私たちが工夫を重ねている原料や製法も当然ありますが、最たるものは、コメ・ミルク・ひき肉、という人類が共通して食べ続けられるものでできている料理だからと考えています。そして、日常的に口にする頻度の高い食材で構成されている料理だからこそ、いろいろな用途で召し上がっていただけていると思います」と儀間さん。

サラダを一緒にランチのメインとして、肉料理のサイドメニューとして、1品でスナック代わりに、チーズをたっぷりのせておつまみ代わりに。客がそれぞれに食べ方を開発して楽しめる要素があるところも魅力だという。

思えば、酒好きにとって「ご飯はつまみになるか」という議論は永遠(?)のテーマ。その点、ドリアはつまみになるかと聞かれたら「YES!」。こよいはアツアツのドリアをアテにワインをいただくとしよう。

(ライター 柏木珠希)


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