快適テレワークのツボ 高さが変わる机、腰が楽な椅子

日経ヘルス

2021/3/1
正しいデスク環境の基本を押さえれば、疲れないテレワークが可能に(写真はイメージ=PIXTA)
正しいデスク環境の基本を押さえれば、疲れないテレワークが可能に(写真はイメージ=PIXTA)
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在宅勤務が増えて、肩こりや腰痛が悪化していませんか? 正しいデスク環境の基本を押さえれば、数千円のグッズで快適性が格段にアップします。新しい机や椅子の購入を考えている人にも、失敗しないポイントを教えます。

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「在宅勤務が定着するにつれ、体の凝りや痛みを訴える人が増えた」と、仲野整體東京青山院長の仲野孝明さん。ローテーブルにノートパソコンを置き、キャンプ用の折り畳み椅子に座って仕事する人もいて、「驚くほど猫背になって見た目の印象が激変した」という。ひとごとでないと思ったら、まずはパソコンモニターの高さを調節しよう。

「パソコン用の台やスタンドを使って、鼻がモニターの真ん中に来るように上げて。ノートパソコンもモニターとしてのみ使い、キーボードを外付けにするのがお薦め」(仲野さん)

キーボードは、ひじが直角になる位置に置きたい。そのためには机か椅子の高さ調節が必要だが、椅子はひざが直角になる高さにしよう。仲野さんいわく「椅子に深く座ることにより、ひざが直角になりやすい」。さらに、モニターとの距離やキーボードの角度を調整すれば、目や手首の負担も軽減して快適性がより上がる。

モニターの高さとキーボードの位置、椅子の高さを調整してから、角度や距離を調整すると無理なく正しい姿勢を維持できる
ノートパソコンをそのまま使うと猫背になって腰痛や肩こりに。パソコンスタンドと外付けのキーボードで改善を
「床座りでも正座なら正しい姿勢になるが維持しにくい。ローデスクでは仕事しないのが体のため」(仲野さん)

おうちオフィス環境を改善する5ポイント

ノートパソコンをそのまま使っている人は、まずは1から実践しよう。新たな購入を考えている人は2~5も要チェック!

1 パソコンスタンドを使ってノートパソコンをモニター化

上の写真は、仲野整體の来院者によるパソコンスタンドを使った改善例。左は机に置いて座って使う場合で、右はキッチンに置いたスタンディング仕様。「モニターを正しい高さにすると、目線が水平になって体が直立する。背骨と骨盤が安定し、首や肩、腰に余計な力を入れずに楽に姿勢を保てる」(仲野さん)。

「BEESUMノートパソコンスタンド」アルミ製で天板は42×26cm。2799円(税込み、日経ヘルス編集部調べ)

2 机と椅子は高さ調節できるものがベスト

新しく机や椅子を買うなら、いずれも高さ調節できるものを。「自分の体に合わせられるほど、いい姿勢を保ちやすくて疲労感が少ない」(仲野さん)。最近は安価な商品も増えたが、安定性や耐久性のチェックも忘れずに。

「FLEXISPOT 電動式昇降デスクE6セット」昇降範囲は630~1260mm、耐荷重100kg。6万5000円~(税込み)

3 スタンディングデスクはいい姿勢を保てて集中力が上がる

外資系企業などで導入されているスタンディングデスク。仲野さんも5年前から使用。「人間の体は立って動くことを前提に設計されている。慣れれば立って仕事するほうが、集中力が上がることも実感できる」(仲野さん)。

「BauhutteスタンディングデスクBHD-700」身長119~184cmに対応。1万5249円(税込み、日経ヘルス編集部調べ)

4 照明は手元を明るくLEDランプをプラス

天井一面に照明がついたオフィスと違って、家では机の位置や時間帯によって明るさが変わる。「タッチタイピングでも何かと見る手元はデスクライトで明るくしたい。目に優しいタイプのLEDがお薦め」(仲野さん)。

「Dyson Lighcycle Morph デスクライト」周囲に合わせて適正な明るさに自動調整。7万2600円(税込み)

5 モニターの明るさは?まだあるこんなポイント

オフィスと家の照明が違うことで、モニターの見え方も変わる。目が疲れやすくなったと感じたら、「モニターの明るさを白い紙と同じぐらいに調整し直して」と仲野さん。また、机選びで迷ったら、横幅よりも奥行きがあるものにしよう。で紹介した机のように、パソコンとキーボードを置く場所が分かれていてももちろんOKだ。

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疲れない座り方ができる椅子