電気代が月5万円に急騰も 新電力の契約内容確認を

写真はイメージ=PIXTA
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2016年4月1日に電気の小売業への参入が全面自由化(電力自由化)され、それまでは東京電力や関西電力といったような地域電力会社との契約だったところ、通信会社やガス会社が運営する電力会社など、様々な業種の企業が運営する電力会社と契約ができるようになりました。

電力自由化からもうすぐ5年というこの冬、電気代の高騰というニュースがかけめぐりました。SNSでも「いつも1万円もいかない電気代がいきなり5万円になっていた!」などという投稿が注目を集めていましたが、いったい何が起こったのでしょうか。

電気代が高騰した「市場連動型プラン」

今回電気代が高騰したのは、新電力会社と契約している家庭全てではなく、「市場連動型」という料金プランで契約していた場合です。市場連動型プランとは、日本卸電力取引所(JEPX)の価格に連動して電気料金の単価が決まります。2020年12月中旬から21年1月にかけてJEPXの価格が高騰したため、家庭で使用している電力の価格に反映されました。

JEPXの価格が高騰した理由としては、寒波による電力需要の増加と火力発電の燃料である液化天然ガス(LNG)の不足があげられています。

19年度のスポット価格の平均は7.9円/kWhだったところ、昨年末からの急激な上昇で21年1月15日には一時、251円/kWhを超え、1日の平均でも100円/kWhを超える日が続きました。ざっと見ても、例年の10倍を超える水準です。

2月に入りスポット価格は落ち着いてきたものの、今後もこうしたことが起こる可能性はゼロではありません。

一部で救済策も

今回、予想だにしていなかった金額の電気代となってしまった家庭に対し、「市場連動型プラン」を採用している新電力会社の一部では、上限金額を設定するなどの救済策を発表しています。もしもご自分の家庭が高額請求に該当する場合、契約している新電力会社のホームページなどで確認してみてください。

またご自分の契約プランが分からないという場合は、新電力会社のホームページで契約番号から確認したり、電話で問い合わせるなどして把握しておいたほうがよいでしょう。

間違いやすいのは、同じ電力会社であっても「市場連動型プラン」と市場価格とは連動しないプランの両方ある場合もあるので、電力会社名だけでは判断できないということです。

「市場連動型プラン」の契約でない場合は、JEPXの価格の高騰の影響がすぐに出ることはありません。しかし、契約している電力会社がJEPXを利用している場合は、電力の仕入れコストが増え、今後の電気料金に影響する可能性もあります。

「市場連動型プラン」の利点と上手な利用法

今回のような突然の価格高騰があると「市場連動型プラン」のマイナス点ばかりに目がいきますが、あくまで市場連動型なので、家庭の電気代が平均よりも安くなっていた時期もあるわけです。

JEPXは30分単位で価格が変動するため、1日の中でも高い時間帯と比較的安い時間帯があります。一般的に午前7時から9時、そして午後4時から10時くらいの時間帯が高くなるため、消費電力が大きい家電はその時間帯に使うのを避けるようにすることで、電気代を節約することも可能です。

またJEPXのスポット価格は翌日に販売する価格を前日に取引します。JPEXのサイトで翌日の時間帯別の料金が分かるようになっていますので、より節約したい人は、価格を確認して安い時間帯に家電を使うようにするのもよいでしょう。

今回、価格が高騰したことで注目を浴びた「市場連動型プラン」を含め、その他のプランの新電力会社、従来の地域電力会社など、どこと契約するのが自分にとって最適なのか、定期的に見直すことをおすすめします。

矢野 きくの(やの・きくの)
家事アドバイザー・節約アドバイザー。明治大学卒。女性専門のキャリアコンサルタントを経て現職に。家事の効率化、家庭の省エネなどを専門にテレビ、雑誌、講演などで活動。著書:「シンプルライフの節約リスト」(講談社)他 オフィシャルサイト https://yanokikuno.jp