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学研ホールディングス社長 宮原博昭氏

学研ホールディングス社長 宮原博昭氏

学研ホールディングスは積極的なM&A(合併・買収)で、学習塾や介護、保育などの分野に事業を広げてきた。現在は連結売上高の4割強を医療福祉サービス事業が占める。規模拡大の旗を振ってきた宮原博昭社長は「経営判断を本部の会議だけで決めると大きなミスを犯す」と語る。M&Aの際も、対象企業の現場に足しげく通って情報を集めている。

<<(上)震災を機にトップ目指す 防衛大卒、地域限定職で入社

――今に生きている入社後の経験はありますか。

「やはり阪神大震災の時の悔しさはすごくありました。目の前で困っている、苦しんでいる人を、助けることはできるのに本部から知らんぷりをされてしまったからです。現場の苦しさや悩みは現場でしかわからない。だから現場から情報を上げていたのに、助けてくれませんでした。当時の学研教室はまだ売り上げ規模が小さかったからでしょう。集まった義援金がほかの事業に多く配分され、教室の方にほとんど回されなかったのです。私たちは何もできず、ただ耐えろと言われているようなものでした」

「社長になってからも、現場は必ず見るようにしています。教育、保育、介護の現場は自社だけでなく、他社も含めて様々なところを回りました。現場の情報を集めるためです。企業で社長になるような人なら、同じ情報があれば同じような経営判断をすると思います。でも各社で判断が違うのは情報の差と、5年先に有利なのか10年先に有利なのかといった判断軸の違いだと思います。意外に見落としてしまうのが情報の差です。私は現場を何度も回って定点観測することを心がけています。本社の会議に出てくる意見だけで決めると大きな経営判断ミスを犯してしまうからです」

好き嫌いで判断するとミスを犯す

――どの情報を選ぶか、判断が難しいのでは。

「エビデンスのない情報でも会議で聞くと、本当のように思えてしまうので危険です。上からみた情報と現場の情報、いわばサンドイッチのような情報で判断しています。これがずれていたらどちらかが間違った情報ということになります。判断ミスというのは経営者になるような人はほとんど犯さないと思うのですが、ミスを犯す場合は大体好き嫌いで判断した場合でしょう。それ以外では情報の取り方の差です。不安に思ったときは現場まで足を運ぶ、ということを欠かさないようにしています」

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