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大衆食堂で至福の昼飲み 定食つまみに目移りする美酒

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NIKKEI STYLE

最近、ハマっている昼飲みの仕方がある。昼休憩をとらず「通し営業」をしている大衆食堂に午後3時くらいに入り、定食を注文。それを肴(さかな)にビールやハイボールを飲む。居酒屋のランチ営業とは違い、大衆食堂は比較的、昼でも営業しているケースが多く、酒もそこそこそろっている。

何よりも良いのが、定食にはつまみになる料理が豊富だ。小鉢はだいたい付いているし、漬物はまずある。メインの付け合わせもアテになる。ランチにビールが飲める店は多いが、人の出入りが多くザワザワして、どうも腰が落ち着かない。その点、大衆食堂の「定食昼飲み」は、つまみを一品一品頼まなくても、小鉢などをつまんでゆっくり飲める。

長居したければ、こちらの意図をお店に話して、「ご飯と味噌汁だけは後で」とお願いすることもできる。結構、わがままを聞いてくれる。そして飲み終わりにシメのご飯と味噌汁を頼めば完璧だ。飲み方にもよるが、2000円くらいで心もおなかも満足できる昼飲みになる。

こうした「定食昼飲み」に使いやすいのが「大衆食堂 安べゑ」だ。東京23区内には4店ほどだが、首都圏や関西など全国各地に店舗があり、いま40店ほど。この1年ほどで急速に店を増やした。

「安べゑ」のキャッチフレーズは、「肉豆腐と199円レモンサワー 大衆食堂 安べゑ」だ。大衆食堂と銘打っているが、飲ませる気満々なのだ。

ウリのメニューは、肉豆腐とレモンサワー。

「肉豆腐」は、牛バラ肉をカツオ風味のだしで煮込んだ「白」と、牛すじ肉をしょうゆと八丁味噌風のだしで煮込んだ「黒」の2種(いずれも399円・税別、以下同)。食べてみると、「白」はかなりあっさりで、上にトッピングしたとろろコンブが効いている。一方、「黒」はメニューブック通り、こってりした味。こちらはつまみとしてだけでなく、ご飯にも合う。

面白かったのが、煮込む鍋が大衆酒場でよく使う、ガス台に雪平鍋でなく、フランス料理店で使っていそうなステンレス層の鍋で、しかもIHで加熱している。「EBM」という業務用厨房機器では有名なブランドなのだが、それを客から見える最前線に押し出していて、ただ者ではない感がある。

そしてもう一つのウリは、199円の「安べゑ レモンサワー」。大衆食堂で、この価格でレモンサワーが飲める店は少ない。もちろん大手居酒屋チェーンは、99円などもっと安い値段でアピールしているから、そこだけ見るとさほどすごくはないが、居酒屋チェーンの場合、レモンサワーが安いからといって、入る気はしない。そこは、料理とお酒のバランスだ。

「安べゑ」で、定食をつまみに飲んだ。定食は、「肉豆腐定食」(699円)を含め、11種類もあるのだが、ここはオヤジの定番「サバ味噌煮定食」(649円)を選んだ。ほかも「サバ塩焼き」や「刺身」「チキン南蛮」など、つまみになるメイン食材を使った定食が多い。デカイ唐揚げが5~6個ドサッとあるような定食では「定食昼飲み」には向かない。まあ30歳若ければ、昼飲みなんかせずに、ガツガツ食べていたんだろうが。

定食は、やはり小鉢が豊富。メインの「サバ味噌煮」以外にサーモンのエスカベッシュと、白身魚のフライが付き、漬物がある。これで649円は安い。そしてちょうど寒ブリのフェアをやっていたため、「寒鰤刺身」(399円)の単品も頼んだ。この刺し身が結構、キラキラして厚みがあり、あまりにうまそうだったので、こちらから箸をつける。もちろんドリンクはレモンサワー。ハイボールも299円で決して高くはない。

寒ブリはやはりうまい。厚みはあるが、サクッとかみ切れる。3切れで399円はお得だ。連続で3切れ行ってしまう。まずい、今日は定食飲みだった。まだホカホカのメインサバ味噌煮に箸を入れる。サバはやはり腹側の脂身があるところが一番のごちそうだろう。軟らかさが印象的だ。赤味噌主体の煮汁はトロミがあり、これをつまみにも飲めるし、ご飯に少しかけてそれをつまみにもできる。合間に小鉢や漬物で口の中をリフレッシュする。

次もレモンサワーでと思っていたら、店内で面白いポスターを見つけた。「飲むほどお得 出世サワーチャレンジ」というキャンペーンだ。ハイボールかサワーのどちらかを1杯499円で注文する。連続で注文すると、ジョッキのサイズが同じ価格でどんどん大きくなるという仕組みだ。

1杯目の小ジョッキは300ミリリットル。これは結構少ない。2杯目の中ジョッキは360ミリリットルでこれが普通注文する量だ。その次は3杯目の大ジョッキ600ミリリットル。これは結構くる。その上は、4杯目の特大ジョッキでなんと1000ミリリットル。5杯目は、2000ミリリットルの「出世ジョッキ」。ここまでくると、シェア可能になる。

以前、別の「安べゑ」に行った時にはなかった。スタッフに聞くと「この1~2カ月」で始めたものという。試さないわけにはいかない。1杯目、2杯目は楽勝。3杯目も楽しく飲める。4杯目もなんとか、こなしたが、この上は一人飲みではちょっと無理。先ほどのスタッフも、「3杯目か4杯目で終わる人がほとんどですね」という。まあそうだろう。

料理は、単品つまみも多く、「さば味噌煮」も単品でもある(399円)。酒場メニューが豊富で、酒も日本酒や焼酎など最低限はそろっている。夜に酒場使いするのに便利な要素を持っている。夜の酒場使いはもちろん、さらに昼飲みもしやすいのが魅力なのだ。

「安べゑ」を経営するのは、居酒屋大手で海鮮居酒屋「はなの舞」などを500店以上展開するチムニー。主力業態の不振を脱出すべく作り出したのが「安べゑ」だ。

居酒屋大手各社は、ビジネスモデル転換に懸命だ。ワタミのように居酒屋から焼肉店に転換する例もあるが、もう一つの考え方が、従来のようにターミナル駅の駅近ビル上層階に大型店を設けるのではなく、私鉄などの郊外で小さめな物件を押さえ、大衆食堂と居酒屋の中間的な「居酒屋食堂」を作り出すというチャレンジだ。

そうした店は、営業時間短縮の中、飲酒の時間帯が早まったり、テレワークで時間を自由に使えるようになって自宅近くでの飲みをしたりするビジネスパーソンの需要をすくい取っていると言われる。「安べゑ」は、そのトップランナーにいる。

「安べゑ」を展開するチムニーは、「はなの舞」の展開を進める中、全国で複数の鮮魚市場で卸売の権利を獲得しており、鮮度の高い魚を安く全国へ配送できる仕組みを構築している。ほかの居酒屋チェーンでここまで6次産業化を全国的できている会社は少ない。価格帯が高い「はなの舞」が落ち込む中で、自社が持つ強みを最大限生かした店が「安べゑ」だったわけだ。寒ブリやサバ味噌煮がうまい理由も分かる。

一つだけお客として注文すると、料理は肉豆腐や揚げ物などオヤジ臭いつまみが多い。それが一つの特徴になっているし、女性や若い年代がそれを食べないとは思わないのだが、ちょっとした煮物とかゆで野菜とかがあってもいい。確かにフェアメニューにはゆでブロッコリーがあったが、今は女性よりオヤジの方が「野菜を食べなくちゃ」という強迫観念にかられている。この辺、よろしくお願いしますね。

(フードリンクニュース編集長 遠山敏之)

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