肉豆腐を調理し、保温しているEBM製のステンレス鍋

面白かったのが、煮込む鍋が大衆酒場でよく使う、ガス台に雪平鍋でなく、フランス料理店で使っていそうなステンレス層の鍋で、しかもIHで加熱している。「EBM」という業務用厨房機器では有名なブランドなのだが、それを客から見える最前線に押し出していて、ただ者ではない感がある。

そしてもう一つのウリは、199円の「安べゑ レモンサワー」。大衆食堂で、この価格でレモンサワーが飲める店は少ない。もちろん大手居酒屋チェーンは、99円などもっと安い値段でアピールしているから、そこだけ見るとさほどすごくはないが、居酒屋チェーンの場合、レモンサワーが安いからといって、入る気はしない。そこは、料理とお酒のバランスだ。

「サバ味噌煮定食」(649円)。小鉢と白身魚フライがついて、定食がお得なつまみセットになる

「安べゑ」で、定食をつまみに飲んだ。定食は、「肉豆腐定食」(699円)を含め、11種類もあるのだが、ここはオヤジの定番「サバ味噌煮定食」(649円)を選んだ。ほかも「サバ塩焼き」や「刺身」「チキン南蛮」など、つまみになるメイン食材を使った定食が多い。デカイ唐揚げが5~6個ドサッとあるような定食では「定食昼飲み」には向かない。まあ30歳若ければ、昼飲みなんかせずに、ガツガツ食べていたんだろうが。

定食は、やはり小鉢が豊富。メインの「サバ味噌煮」以外にサーモンのエスカベッシュと、白身魚のフライが付き、漬物がある。これで649円は安い。そしてちょうど寒ブリのフェアをやっていたため、「寒鰤刺身」(399円)の単品も頼んだ。この刺し身が結構、キラキラして厚みがあり、あまりにうまそうだったので、こちらから箸をつける。もちろんドリンクはレモンサワー。ハイボールも299円で決して高くはない。

「全国うまいもの旬めぐり」フェアの「寒鰤刺身」(399円)。厚みがあり、しっとり

寒ブリはやはりうまい。厚みはあるが、サクッとかみ切れる。3切れで399円はお得だ。連続で3切れ行ってしまう。まずい、今日は定食飲みだった。まだホカホカのメインサバ味噌煮に箸を入れる。サバはやはり腹側の脂身があるところが一番のごちそうだろう。軟らかさが印象的だ。赤味噌主体の煮汁はトロミがあり、これをつまみにも飲めるし、ご飯に少しかけてそれをつまみにもできる。合間に小鉢や漬物で口の中をリフレッシュする。

次もレモンサワーでと思っていたら、店内で面白いポスターを見つけた。「飲むほどお得 出世サワーチャレンジ」というキャンペーンだ。ハイボールかサワーのどちらかを1杯499円で注文する。連続で注文すると、ジョッキのサイズが同じ価格でどんどん大きくなるという仕組みだ。

1杯目の小ジョッキは300ミリリットル。これは結構少ない。2杯目の中ジョッキは360ミリリットルでこれが普通注文する量だ。その次は3杯目の大ジョッキ600ミリリットル。これは結構くる。その上は、4杯目の特大ジョッキでなんと1000ミリリットル。5杯目は、2000ミリリットルの「出世ジョッキ」。ここまでくると、シェア可能になる。