主演に定着する次世代俳優は? 赤楚衛二・清原果耶…
特集 2021年の主役(1)
2021年に注目すべき若手を取り上げていく特集。第1回は2021年躍進が期待される若手俳優に焦点を当てる。
2020年は1月期の『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』で、横浜流星がGP帯(19~23時)の連続ドラマ初主演。7月にも『私たちはどうかしている』で再び主演を務めた。その『私たちはどうかしている』で、横浜とW主演だったのが浜辺美波。昨年はほかにも『約束のネバーランド』など、ドラマ3本、映画2本の主演作を数える飛躍の年となった。また、小芝風花はNHKの『トクサツガガガ』(19年)に続き、昨年は『妖怪シェアハウス』で民放連ドラ初主演。1月期も『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』(テレビ朝日系)で主役を務める。
彼らに続き、主演俳優として定着しそうなのは誰か。過去に主演経験を持つ俳優から、ステップアップが期待される若手を見ていく。
初の単独主演連ドラが大きな話題となったのが、10月期の"チェリまほ"こと『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』の赤楚衛二。30歳の男同士の恋を優しい目線で描いたラブコメディが評判となり、11月に発売した1st写真集は発売直後に2度目の重版。ドラマはアジア各国などでも配信される人気だ。浜辺美波・北村匠海・福本莉子との主演映画『思い、思われ、ふり、ふられ』で高校生を演じるなど振り幅も広く、次回作が期待される1人となった。
若手ですでに主演作が発表されているのが、神尾楓珠。19年の『左ききのエレン』で連ドラ初主演を果たしているが、イケメン高校生役がハマるそのビジュアルを生かして、2月からHuluで配信されている少女マンガ原作のラブストーリー『マイルノビッチ』で桜井日奈子の相手役を務める。
19年公開の初主演映画(松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィンと4人主演)『蜜蜂と遠雷』でピアニスト役をセンシティブに演じ、多くの映画祭で新人賞に輝いた鈴鹿央士は、青春群像コミックの実写化ドラマ『ホリミヤ』(MBS・TBS系/放送中)の主演に抜てき。優等生で明るい堀京子(久保田紗友)と徐々に距離を縮めていく地味でネクラな宮村伊澄を演じる。本作は2月に劇場版も公開されている。
今春スタートのNHK朝ドラ『おかえりモネ』で注目なのが、King & Princeのメンバーである永瀬廉。ヒロインの同級生で漁師見習いをしている及川亮を演じる。映画『弱虫ペダル』などの主演作を持つ彼が、俳優としての顔を広めることになりそうだ。
20年も『今日から俺は!!劇場版』『この恋あたためますか』など印象的な助演が多かった仲野太賀は、映画『静かな雨』、山里亮太が原作のドラマ『あのコの夢を見たんです。』などで主演。若き名バイプレイヤーから、徐々に主演としての存在感も高めている。
昨年の『SEDAI WARS』『ホームルーム』に続き、1月16日スタートの『ここは今から倫理です。』(NHK総合)で主演を務める山田裕貴も軸足を変えつつある1人だ。
女優では、"2021年の顔"候補の最右翼が、1月で19歳になる清原果耶。春スタートの朝ドラ『おかえりモネ』主演に加え、ヒロインを演じる近日公開の『夏への扉‐キミのいる未来へ‐』、3月公開の主演作『まともじゃないのは君も一緒』など、映画も発表されているものだけで5本。演技力の高さには定評があり、大ブレイクを予感させる。
10代女優は演技派が台頭
同じ10代では、森七菜も演技力が評価されて活躍の場を広げてきた1人。19年に新海誠監督のアニメーション映画『天気の子』でヒロインの声優を務め、朝ドラ『エール』にもレギュラー出演。昨年秋には『この恋あたためますか』で連ドラ初主演を果たした。今年は、SixTONESの松村北斗とW主演する映画『ライアー×ライアー』が公開されている。
また、昨年はドラマ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』や映画『ジオラマボーイ・パノラマガール』、今年も2月に『樹海村』が公開された山田杏奈も、10代から主演作を重ねてきた1人だ。
20代で主演女優のローテーションに大きく近づいたのが上白石萌音。20年1月期の『恋はつづくよどこまでも』でGP帯連ドラに初主演。SNS上でも話題を集め、「Yahoo!検索大賞」の女優部門賞にも輝いた。1月期は同じ枠の『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)で再び主演を務める。
20年1月放送の前作が好評を博し、今春に「第2期」のスタートが決まったドラマ『ゆるキャン△』(テレビ東京系)の主演は、22歳の福原遥。キャンプブームのけん引役とも言われる原作コミックのファンも納得した再現度の高さが評価された。福原は初夏公開の劇場アニメ『フラ・フラダンス』でも、声優として主演を務める。
小西桜子は昨年2月公開の『ファンシー』で商業映画デビューしたばかりの22歳。しかし、昨年末の『猫』、1月期の『京阪沿線物語~古民家民泊きずな屋へようこそ~』(テレビ大阪・BSテレ東)と深夜ながら連ドラ主演が続く。芸能事務所に所属せず、インスタグラムを通じて彼女をスカウトしたマネジャーと活動するスタイルも異例。懐かしさと癒やしの魅力を秘め、さらに浮上しそうだ。
一方、21年は"女優元年"として注目されるのが、欅坂46(当時)を昨年脱退してソロ活動をスタートした平手友梨奈。18年の映画『響‐HIBIKI‐』で主演経験があるが、1月に公開された映画『さんかく窓の外側は夜』、近日公開の映画『ザ・ファブル殺さない殺し屋』に出演と、いよいよ本格的に始動する。
(ライター 高倉文紀)
[第2回はミュージシャン]「TikTok発ヒット 注目の覆面シンガーソングライター」>>
[日経エンタテインメント! 2021年2月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。