学生たちは不安やモチベーションの低下に悩む。例年2000人近くが留学してきた立命館大学では昨年7月、1~2回生を対象にアンケートを実施(539人が回答)。コロナ禍で留学への意識の変化を聞いたところ、41%の学生が「変わらず高い」と答えた一方で「低くなった」と答えた学生も40%と拮抗した。

また、早稲田大学社会科学総合学術院の鈴木規子教授が、担当する授業内でとったアンケート(昨年7月、1~4年生66人が回答)には「このまま留学できないのだろうかと不安」「自分の人生設計にかなりの狂いが生じてしまった。留学そのものより留学に行けなくなった場合の自分の進む道に不安を持っている」といった声が寄せられた。

官民協働の留学支援プロジェクト「トビタテ!留学JAPAN」も昨年は進みかけていた選考が途中で中止になったが、今年はあくまで「渡航」を前提とし、募集に踏み切った。「国としてもなんとか留学を応援したい。コロナ禍で先が見えない中でも募集するのは、レベル1以下に下がった時にすぐに行けるようにするため」(「トビタテ!留学JAPAN」広報担当の西川朋子さん)。各大学の交換留学も募集自体はしているところが多い。ただ、国によってワクチン接種が進み始めたとは言え、仮に申請が通ったとしても、感染状況次第で中止や延期になる可能性は残る。

大学院の留学相談は増加

「そんな悠長に待ってられない」という人に残された道は二つ。一つは、在籍大学の留学制度や奨学金などを使わない個人手配留学だ。留学仲介の「留学ジャーナル」(東京・新宿)の加藤ゆかり代表取締役によると、短期留学についての相談・問い合わせは前年比1割程度と激減しているが、長期についてはそれほど変わらず、大学院での留学相談は逆に増えているという。

「語学留学希望者の場合、とりあえず海外に行ってみたいという『体験』への興味が強いケースが多いのですが、大学院への留学希望者は、より学ぶ目的が明確で意思も強固。そのためコロナ禍でもひるまず、なんとかして渡航しようと行動を起こしているのでしょう」

留学ジャーナルで一番多い問い合わせは「大学の交換留学も申し込むが、大学経由だと現状では外務省危険情報のレベル1以下にならないと行けそうにない。であれば個人手配で、行ける国や地域はないか」というもの。加藤さんは言う。

「コロナ前のように是非どうぞとは言い難い状況ですが、留学生の受け入れ状況は国・地域によって違い、現在でも受け入れ可能としているところはあります。例えばカナダや米国の一部。特にビジネスに直結する経営管理や人事を学べるカナダの専門学校については、『学位や単位は不要。具体的なスキルと英語力を身につけたい』という学生さんの関心が高いです」

新型コロナの感染抑え込みに成功していると言われる台湾はどうか。日本台湾教育センターに問い合わせてみると、こんな回答が返ってきた。「今、受け入れているのは学位取得を目指す正規留学とワーキングホリデー。最近は、ワーキングホリデーのビザをとって入国後、現地の語学学校で学ぶ人が増えています」

理系も参加しやすい? オンライン留学に動く大学

「待ってられない派」が取れるもう一つの選択肢は、最近注目度が増す「オンライン留学」だろう。各大学や留学エージェントが推進している。

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