女性の魅力を醸し出す方法は
女優、美村里江さん
女性らしくなりたいのですが内面が男っぽいのか女性らしさがわかりません。例えば、私が男性に何か頼むとき、直接伝えます。一方、女性らしい人は「……してくれるとうれしいな」と言っている気がします。私にはそんな言動は絶対にできません。うまく女性らしさを醸し出す方法はございますか。(神奈川県・40代・女性)
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相談者さんと同じことで20代のとき悩んでいました。私は色白で顔は女っぽい方ですが、中身はざっくり表現すると"少年"。ふと石を拾ったり、虫をわしづかみにするので、周囲をギョッとさせてきたようです。
女性らしい人って素敵ですよねぇ。私も憧れている先輩がたくさんいらっしゃいます。どういった秘訣があるのか近くで観察していて、「女性らしいというより人間的に素敵なだけかも」と思い当たりました。
相談者さんの発見の例がまさにそうですね。「……してくれると嬉しいな」は、女性→男性だけに有効なわけではありません。女性→女性でも、男性→女性でも、気分良く受けられますよね。
つまり、女性らしさ、というより、もっと根本的なコミュニケーションの部分。自分の要望を相手にいい感じで受けてもらうための工夫の一つだったりします。
一部の女性では、男性にだけ高めの声色で感じよく……というのもあるでしょう。(相談者さんはこういうのが苦手なのかなと思います。)しかし、最上級の素敵な女性は老若男女を問わず丁寧で親切。その優美さが女性らしさとなって、副産物的に現れるのではないかと私は思っています。
少し目線を変えれば「笑顔が多い」「所作がきれい」「余裕がある」「身なりが整っている」など、男性に備わっても「素敵な人」と言われることばかり。つまり、「上質な人間」を目指せば、女性らしさはついてくる。そう考えて幅広く頑張ってみませんか。
最後に一つだけ、お節介をお許しください。相談者さんを不利な立場にしてしまう言い方について。
「私には絶対にできません」、これを口にした時点で味方がガクッと減ってしまいます。絶対にできないという人に、何のアドバイスも励ましも効きませんから、「そうですか」と引かれて終了です。
一種の照れ隠しかなと同類の私は想像しましたが、これはとてももったいないです。「私は絶対△△ない」というのはしばし封印して、「△と今の私は思うよ」くらいにしてはいかがでしょうか。
私も同様に頑張ります!
[NIKKEIプラス1 2021年2月20日付]
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