ハラミちゃん ストリートピアノでYouTube登録100万人

日経エンタテインメント!

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駅や街角に設置されたストリートピアノで、『鬼滅の刃』メドレーを弾いた動画などがYouTubeでバズり、話題沸騰中のポップスピアニスト・ハラミちゃん。チャンネルの登録者数は117万人を超える人気ぶりで、2020年12月には『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)にも出演した。

2019年6月にピアニストYouTuberとして活動を開始。広瀬香美とコラボした動画は1000万再生を超えるなど、ヒット動画を連発。20年9月に出演した『芸能界特技王決定戦 TEPPEN』では、「芸能界ピアノ女王決定戦」で優勝を果たした(写真:中村嘉昭)

彼女がYouTubeに初投稿したのは19年6月。当時はまだ会社員で、新宿都庁のストリートピアノで『前前前世』を弾いた動画を何気なく上げたところ話題となり、今の道が開けたという。現在は、観客のリクエストに応える即興の演奏スタイルが人気となっている。

「学生時代はクラシックピアノを習うかたわら、休み時間に学校でジャニーズやジブリの曲を弾いていたんです。リクエストに応えると、みんなが笑顔になってくれるのがうれしくて。当時は楽譜を買うお金もなかったので、原曲を何度も聴きながら練習して。コツコツ自己流でやった経験が、『どんな曲でもいきなり弾ける』という、今の自分の強みにつながっていると思います。

ストリートピアノは、場所や時間帯によって、その場にいる人たちも変わるので、いざそこに行ってから曲を決めることも多いんです。休日のお昼のショッピングモールは、親子づれが多いから『パプリカ』。夕方の駅前は、会社帰りのサラリーマンが多いので『銀河鉄道999』とか。そういう意味でも、ストリートピアノは一期一会だなと感じています」

YouTubeチャンネルに上げた動画の総再生数が、2億4000万回を突破するハラミちゃん。1人でも多くの人にピアノの楽しさを伝えるため、動画作りにも様々なこだわりがあるようだ。

「視聴者の方には、『面白そうな作品だから見てみよう』と思ってもらえることが大事なので、“タイトル”と“サムネイル”は妥協しません。作品のパッケージのような存在ですからね。

タイトルでは、文字の使い方を工夫していたり、動画の中で何が起きるのかを匂わせるようなフレーズを入れたりしています。

サムネイルの場合は、場面写真の選び方がすごく大切で。ストリートピアノって、突然弾き始めるものなので、ある種ドッキリに近いところもあるんです。なので、私の演奏を聴いたときのお客さんのリアクションが映っている場面をそのままサムネイルにすることもありますね。そうすることで、私やストリートピアノのファン以外の方にも、興味を持ってもらえればと思っています」

曲の背景も伝えるアレンジ

『ハラミ定食DX ~Streetpiano Collection~「おかわり!」』 『ロマンスの神様』『ファイト!』『Get Wild』などのカバー曲を中心に全16曲を収録する(エイベックス/3000円)

20年7月にはエイベックスからメジャーデビュー。1月27日には、2枚目のカバーアルバム『ハラミ定食DX ~Streetpiano Collection~「おかわり!」』を発売する。『残酷な天使のテーゼ』といった人気曲のカバーに加え、初のオリジナル曲となったポップチューン『ファンファーレ』も収録する。

「ピアニストになりたくて、音大にも行ったぐらいなので、一度挫折した夢が再びかない始めているのが本当にうれしくて。CDを出すのも昔からの夢だったんです。

カバーする際に意識しているのは、曲の背景までも伝えるということ。例えば、『キューティーハニー』では、アニメを全部見た上でアレンジを考えました。Bメロの「お願い お願い…」というパートでは、ハニーが悲しみながら戦う様子が伝わるよう、テンションを一気に落として弾いています。

『ファンファーレ』は初のオリジナル曲で、特にサビでは“歌えるインスト”を心掛けました。『戦場のメリークリスマス』でいうところの「タララララ~♪」みたいに、人気のインスト曲って歌えるんですよね。そうなればいいなと。

今後の目標ですか? 私は昔から、『ピアノをもっと身近な存在にしたい』という思いがあるんです。フィギュアスケートや将棋などでも人気者が出てくると、グッと身近なものになるじゃないですか。ストリートピアノ界のアイコンじゃないですけど、ピアノの楽しさを伝えられる存在として、これからも活動していきたいと思います」

(ライター 阿部裕華)

[日経エンタテインメント! 2021年2月号の記事を再構成]

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