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ビールの注目株「KAGUA」「スタウト」 開発の裏側

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和食とのマッチングを究めたクラフトビールの新星「馨和 KAGUA」、深みのある味わいで世界的コンペで金賞を獲得した「スタウト」。ネクストブレイク必至の2商品の開発背景と、それらを生んだ気鋭ブルワリーの次の一手を探る。

◇  ◇  ◇

果物やスパイスなどの原材料を使い、独特な香りや味わいを目指すクラフトビールが増えている。特にユニークなのが、「和食とのベストマッチ」をうたうクラフトビール。飲まれるシーンを大胆に絞った、Far Yeast Brewing(ファーイーストブルーイング)の「馨和 KAGUA(かぐあ)」だ。

使っているのは、和のハーブともいえるユズと山椒。ユズのフレッシュな香りが魅力の「Blanc」と、山椒がスパイシーで爽やかな後味を引き立たせる「Rouge」の2種類がある。馨和を醸造している場所はベルギーだが、ユズと山椒は国内の指定産地から直接購入したものを使う。

アルコール度数はあえて8~9%と高めに。Far Yeast Brewing代表の山田司朗氏は、「食事をビールで流し込むのではなく、食事を味わいながらゆっくりと飲めるように」と説明する。炭酸は食事の味わいを邪魔しないように、瓶内二次発酵による低炭酸に仕上げている。和食といえば、日本酒か焼酎か。ビールは飲むとしても1杯目だけで、2杯目以降は別の酒に。馨和はそんな定番コースまで変えそうだ。

馨和の発売に至るヒントになったのが、インド系英国人のカラン・ビリモリア氏が創業し、89年に英国で誕生した「コブラ」ビール。英国ではインドカレーの人気が高いのに、大手メーカーの苦みや炭酸が強いビールは相性が悪かった。そこで、おなかにたまりにくく、洗練された味わいのビールを目指して造られた。「和食も海外でも人気なのに、看板として親しまれるクラフトビールが無い」(山田氏)という気付きから生まれたのが、馨和なのだ。

和の料亭などで飲まれることへの狙いが表れた、もう一つの要素はラベルだ。色は、「日本の伝統色である胡粉色と茜色を採用した」(山田氏)。紋印を模した馨和のロゴマークを中央に配置。余計な情報をそいだ、シンプルなデザインにしている。

同社は広いシーンで飲まれるようにと造られたゴールデンエール「東京ブロンド」など、「Far Yeast」の名を冠したブランドも展開。さらに今注目なのが、新ブランドの「Off Trail」(記事冒頭の写真)だ。

現代のような醸造設備が無い時代のビール造りの手法を取り入れるとのコンセプトで、木樽で熟成する「バレルエイジング」に着手。「様々な微生物の働きで、発酵や熟成で発生する複雑な香りを取り入れ、時にはビールの香味バランスを損なうといわれる成分・オフフレーバーもあえて受け入れる。複雑で再現できない味わいが魅力」(山田氏)。バレルエイジングを含む様々なビールの酒質を安定させるため、微生物検査装置も導入して力を入れる。

世界で認められた「スタウト」の次なる進化とは?

世界に存在するビアスタイルは100種類以上ともいわれ、その魅力が浸透していないものも多い。黒く濃い見た目から「苦そう」「強そう」と誤解されがちなスタウトは、まさにそんなスタイル。飲めば、見た目とは裏腹な味わいに驚かされる、ネクストブレイクの筆頭候補だ。

黒さは、ローストした麦芽を使っていることに由来する。その香ばしさから、コーヒーやチョコレートを思わせる深みのある味わいになる。中には原材料としてコーヒー豆やカカオを使い、その味わいをより強調したスタウトもある。

スタウトの魅力を実感したければ、まず飲むべきは1996年から続く日本では古参のブルワリー・箕面ビールの「スタウト」だ。それを証明するのが、英パラグラフ社が開催するビールの世界的コンペティション「World Beer Awards(WBA)Dry Stout部門」で2009年に金賞を受賞した事実。「コンテストではおいしさに加え、『そのスタイルにふさわしいか』が重視される傾向がある」(酒文化研究所の山田聡昭氏)。まさに、世界基準のスタウトを味わえる一本だ。

箕面ビール社長の大下香緒里氏が、「香りや苦みなど何か1つの個性が際立ち過ぎず、でも1本で満足せず次が飲みたくなる味を目指している」と言うように、飲み飽きない絶妙なバランスが特徴。強烈な個性で食事の味を邪魔することも無いので、食中酒としてもうってつけだ。

世界で認められた一品だが、1本418円(税込み)とクラフトビールの中では手頃な部類だ。「地域でビールなどを卸していた酒屋が前身。大阪で地元のクラフトビールを広げたいというのが、設立の原点。家庭で日常的に飲んでもらえるよう、価格にもこだわり続けている」(大下氏)。

箕面ビールのスタウトは、WBA金賞を受賞した頃から10年以上、レシピを大きく変えていない。これまで、決まったローストバーレイ(未発芽の大麦を超高温で焙煎したもの)を使って安定した味わいを保ってきた。しかし今、それを自分たちで麦から焙煎し、新しい味わいに挑戦しようという試みも始めている。「コーヒーの深煎り、浅煎りのようなイメージに近く、味わいやコクが変われば香りも変わる」(大下氏)。「世界の一本」がさらなる進化を遂げる日も近そうだ。

その他、同社でスタウトに次いで醸造量が多いという「ヴァイツェン」は、フルーティーな香りで柔らかい飲み口がクセになる。13年に志賀高原で開催された「SNOW MONKEY BEER LIVE 2013 限定ビール」として醸造され、人気を集めたことから定番に加わった「おさるIPA」は、ホップの香りと苦みが特徴的。箕面ビールには、スタウトの他にも飲むべきビールがそろっている。

(日経トレンディ 高田悠太郎、写真 古立康三)

[日経トレンディ2021年3月号の記事を再構成]

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