障害者との旅で痛感 リクルート柏村さんの人生の転機柏村美生・リクルートマーケティングパートナーズ社長(下)

柏村美生・リクルートマーケティングパートナーズ社長(写真は同社提供)
柏村美生・リクルートマーケティングパートナーズ社長(写真は同社提供)

オンライン学習サービス「スタディサプリ」などを提供するリクルートマーケティングパートナーズ社長の柏村美生さん。ソーシャルワーカーを目指し、明治学院大学社会学部で社会福祉を専攻したが、1998年にリクルート(当時)に入社した。なぜビジネスの世界に身を転じたのか。

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明学で精神医学担当の村上雅昭教授と出会いました。もともと統合失調症などを専門とする臨床医です。今はうつ病やパニック障害などは誰にでも起こりうる病だという認識があると思います。当時は精神障害の疑いのある犯罪者による残忍な事件が起きた影響もあり、精神障害に対し、偏見を持つ人も少なくありませんでした。そんな中、「あの人は精神病だと特別視してはいけない」と常々語っていました。

明学で精神障害分野にのめり込む

村上先生のゼミ生となり、その頃は分裂症と呼ばれた統合失調症など精神障害分野の学問にのめり込みました。明学には社会福祉を変えたいという意欲的な学者や研究者が集まっていました。児童虐待に向き合う先生もいた。具体的なケースを挙げての講義は身につまされました。その背景には貧困があったりします。先進国の日本ではあまり関係がないと思うかもしれませんが、現在でも子供の7人に1人が貧困状態にあるというデータもあります。実際、「子ども食堂」が今も注目を集めています。

明学時代は筋ジストロフィーや脳性まひの障害者のボランティア活動にも励みました。実は大学3年生のときに人生を変える出来事がありました。ある障害者向けNPO(非営利団体)のボランティアとして、筋ジスや脳性まひの障害者10人あまりと仙台旅行に参加しました。当時の電動車椅子は重くて10キロ以上あったと思います。障害者の方と移動したり、宿泊したりするのは大変です。

筋ジスの方は自力で寝返りを打てないので、寝ているときも介助が必要になります。専門の作業者とボランティアが交代でベッド担当をしたり、入浴の時も介助をしたりします。仙台では寺院など主に文化施設を見学しました。大半の施設では障害者は無料でした。

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