入札転職や体験入社…「ベストマッチ」探る新サービス

画像はイメージ=PIXTA
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転職希望者と採用したい企業、双方の「納得度」向上をめざす新しいサービスが相次いでいる。入札方式で「自分にはどの程度の価値があるのか」を見える化したり、体験入社で「実際の職場」への理解を深めてもらったり。転職に不安を抱く求職者や、自社に合った人材を効率的に獲得したい企業のニーズをつかんでいるようだ。

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転職サイトなどを運営するリブセンスの競争入札型の転職サービス「転職DRAFT(ドラフト)」はITエンジニア向けの転職支援サービス。転職を希望するエンジニアに、採用したい企業が年収などの条件を提示して入札する仕組み。エンジニアがその提案条件に興味を持てば「選考に進む」「面談をする」といった次のプロセスへと進む。

エンジニアの佐藤大典さん(35)は2020年7月に転職ドラフトを通じて、スマートフォンを使った飲食店向けの注文・決済システムを手がけるスタートアップ、Showcase Gig(ショーケース・ギグ、東京・港)へ転職した。前職はオフォス用品を扱う大手電子商取引(EC)企業で、自社通販サイトの開発やエンジニアチームのマネジメントを担当していた。会社に不満はなかったが、担当したプロジェクトが終わり、「次のステージに進む頃合いかも」と考えた。

転職ドラフトを利用したのは「エンジニア仲間で話題になっていた」のがきっかけ。「年収アップというよりも、自分の経験が他の企業からどう評価されるかに興味を持ち、申し込みました」という。

採用の不透明さ解消めざす

通常の転職活動では、年収などの条件が提示されるのは最終面接か、内定してからという。リブセンスで転職ドラフトを担当する中西晶大ユニットリーダーは「採用の不透明さを解消したいと考えました」とサービス開発の理由を説明する。

ユニークなのは、ほかのエンジニアの経歴や入札額もわかる点。ほかの求職者と比較することで、自分の市場価値をある程度客観的につかむことができる。

ショーケース・ギグに転職した佐藤大典さんは「あえてマネジメントの経験を中心にする経歴にしました」と語る

佐藤さんと同じ時期にエントリーしていたほかのエンジニアは、経歴欄で技術力を強調するケースが多かったことから、「あえてマネジメントの経験を中心にする経歴にしました」という。

エントリー情報については、入札企業だけが見られるデータもある。佐藤さんは「その部分で評価が分かれることもあるのではないか」と語る。仕事の内容がほぼ同じなのに、2つの会社から異なる年収を提示されたこともあったという。「選考の段階で確認しなければわからないことも少なからずあると思います」と振り返る。

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