ブレイキング・ルールが世の趨勢とはいえ、その背景には洒落者たちの共通認識ともいえる不文律が存在する。それを理解するための第一歩として、時計のコーディネートにまつわる頻出問答をまとめてみた。いずれも “現在の基本”というべき事項ゆえ、改めておさらいされたし。
【Q】フォーマルにSS(ステンレススチール)ケースってアリ?
【A】王道は金のドレス時計
昨今はフォーマルスタイルにも様々なバリエーションが生まれてきていて、ヒネリとしてのSSケース時計も一概にNGとはいえない。が、あくまで基本はゴールド、ないしはプラチナの薄型2針であるということを忘れないでおこう。インデックスはローマ数字またはバー型がフォーマルの王道。本格靴におけるストレートチップのような位置づけなので、時計好きなら一本は所有しておきたい。

【Q】ベルトはクロコ一択?
【A】あえてカーフにするという粋も
本格時計のレザーストラップはアリゲーターやカイマンといったワニ革が最もスタンダード。とはいえ、もちろんリザードやオーストリッチといった素材を合わせて印象チェンジを狙うのも時計の楽しみ方だ。近年はあえてカーフストラップを選ぶウェルドレッサーも増えている。よりミニマルな印象になるほか、組み合わせ次第ではヴィンテージウオッチ調の雰囲気に見せられるのも魅力だ。

【Q】革小物と時計ベルトはどう合わせる?
【A】色は統一。ただし素材は“揃えすぎ”に注意
靴や鞄に比べると目立たないとはいえ、やはり気になる時計ストラップと革小物の合わせ。意見が分かれるところではあるが、時計ベルトが茶系なら、同じ茶系の靴・鞄・ベルトと合わせたいという声が主流のようだ。ただし、素材まで統一する必要はなし。むしろアリゲーターストラップにアリゲーター靴、アリゲーターベルトなどは無粋と捉えられることも。色みは統一しつつ、素材感は微妙にずらしていくのが現在のスタンダードだ。


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