採用する側のマインドで考える

――転職先の選び方が定まった後、実際の転職活動でのポイントは。

「面接にしても職務経歴書にしても、採用する側の気持ちを理解することが肝要です。生涯年収を考えると、中途採用は、企業側からして結構、値が張る『買い物』といえます」

「しかも、いったん雇用すると簡単には解雇できないうえ、場合によっては既存社員に悪影響が出ることもあり、リスクが伴います。かなり難しい『買い物』についての判断を短期間に下さないといけない企業の人事担当者、担当役員らにアピールするにはどうしたらよいかを考えましょう」

「まず、自分は『何をすることによってお金(賃金)をもらう価値がある存在なのか』を見極めてほしいと思います。たとえば、法人営業のスペシャリストや特ダネ記者など、『自分がこれによって世の中に貢献し対価をもらうに値する』と思える仕事を明確にしましょう。『自分が何屋なのか』を特定したうえで、雇用する側の目線で、人件費に見合う投資であることを分かりやすく説明するとよいと思います」

「転職の面接などで、これまでの実績を長々と自慢話のように語る人がいますが、正直なところ、企業側は前の会社での実績そのものには興味がありません。前職で何をしてきたかを質問するのは、これまでの実績を自分の会社でも再現できるか、の裏付けを問うているにすぎないからです」

「採用企業側のニーズをくみ取り、『御社には○○で貢献できると思います。なぜなら過去に△△だったからです』などと主張するとよいでしょう。職務経歴書についても同様です。企業側は経歴の中から『わが社で活躍してくれるかどうかを示すヒント』を見つけようとしています。前職での成功体験やメソッドが自分たちの会社でも再現できそうだと思ってもらえるように書かないといけません」

「20年のコロナ禍以降、求人数の減少と選考基準の厳格化という、求職者にとっては強い逆風が吹いています。徹底した『買い手目線』で自身を売り込むことが必要不可欠だと思います」

黒田真行 転職コンサルタント
ルーセントドアーズ代表取締役。日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」を運営。2019年、中高年のキャリア相談プラットフォーム「Can Will」開設。著書に『転職に向いている人 転職してはいけない人』、ほか。「Career Release40」 http://lucentdoors.co.jp/cr40/ 「Can Will」 https://canwill.jp/

(日経転職版・編集部)

=この項おわり

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