ポータブルスキルをフル活用

――いざ「転職する」と決めたとき、転職先選びのポイントは。

「現在の転職市場は、求人が減少し、選考基準や競争率が上がっている状態です。求職者としては、応募する範囲を広げる以外に転職の成功率を高める術(すべ)はありません」

「社会心理学で『認知バイアス』といいますが、人は往々にして、これまで所属した会社の環境や経験が基準になってしまい、それとは遠い環境に拒否反応が出るということがありえます。『バイアス』は転職において、自分が過去に体験したことに再び関わりたい、という思考につながり、逆に『経験がないと無理なのでは』『自分は○○しかできない』などと無意識に目線を狭めてしまいがちです」

「特に年齢が上がるほど、『自分はつぶしがきかない』と思い込んでいるケースが目立ちます。ただ、求人が少ない状況でこの思考をしていては応募先がいっこうに広がらず、転職の成功にもつながりません」

「今までは自身のレーダーに入っていなかった異業種・異職種のポジションを含め、自分のスキルや経験が活用できる仕事はないかという視点で探すとよいでしょう。視野を広げるにあたって、着目してほしいのがポータブルスキルです」

「ポータブルスキルは文字通り『持ち運びできるスキル』、業種や職種、環境が変化しても生かすことができるスキルのことで、コミュニケーション力や、交渉力、段取り力、実行力、計画立案力、課題発見力、計画性など、幅広く存在し、ビジネスパーソンとして一定期間仕事をしていれば、これらのいくつかを習得していると思います」

「営業やマーケティングなどの専門スキルに加え、ポータブルスキルをフル活用し、自分の強みを生かせる業界を見つけることが重要です。ひとたび『バイアス』から脱し、視野を広げることができれば、仕事をネットで検索するにしても大幅に選択肢が増えることになります」

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