
スマートフォン決済などキャッシュレス化が進んだことで、最近の財布のトレンドは、携帯性に優れた手のひらサイズのミニ財布だ。形状のバリエーションも増え、自分に合った使いやすいものを選べるようにもなった。そんなミニ財布をオン・オフ兼用で使う場合はレザーモデルを選ぶといいだろう。レザーであればミニサイズでも上品な印象を与え、ビジネスやフォーマルなシーンにも対応する。そこで、人気のミニ財布を経年変化や風合いが楽しめる革の種類別に紹介。今回は独特な凹凸感があるシボ革のミニ財布を取り上げる。
手触りがよく、傷やシワが目立ちにくい

シボ革とは、表面に凹凸(シボ)がある革。凹凸は立体的なシワ模様になっていて、細かく入っているものから大きなものまで多種多様。それら全般をシボ革と呼ぶが、シボの出し方は製法によって異なる
シボ革を大きく分けると3種類ある。革をなめす段階で収縮剤を入れ、革を縮めることでシボを出す「シュリンク」。なめした革を回転ドラムに入れてかくはんし、大きくシワのようなシボを出す「空打ち」。革表面にシボ柄の金属型をプレスして、好みの模様をつくり出す「型押し」。それぞれ特徴や魅力がある。
シボ革に共通するメリットは、立体的な模様が入っているため傷やシワが目立ちにくいこと。ダメージをあまり気にせず使えるのは大きなメリットといえるだろう。シボそのものの独特な表情も魅力で、凹凸感の手触りも心地よい。手にする頻度の高い財布に適した革となっている。
スマホのように片手で縦に持って使う設計

「二つ折り財布は、かさばる。かといってミニ財布は小さすぎて使いづらい」というユーザーの声を受け、クラウドファンディングから生まれたのがヴィンテージ リバイバル プロダクションズの「縦づかい財布」。男女問わず、現金派にも使いやすいサイズと構造になっている。
スマホを持つように、左手で財布を縦に持って使うことで、左手を動かすことなく紙幣・小銭・カードを出し入れできる。小銭を20枚ほど収納でき、小銭入れの後ろにもカードポケットを搭載する。下段のカードポケットは、カードに手をかけると手前に飛び出す構造でカードを取り出しやすい。紙幣入れも大きく開くため使い勝手がいい。札入れの開く向きなどが左右逆になった「左利き仕様」もラインアップしている。
表革には、マット仕上げのシュリンクレザーを使用。大小の細かなシボが独特な表情を生み出している。タンニンを配合してなめしているため、使い始めは革にハリ感があるが、使うほどに柔らかくなるという。また、経年変化によって艶も増していくそうだ。
2020年1月に、クラウドファンディングで目標金額の1300%を達成し、同年4月に一般販売を開始した。ヴィンテージ リバイバル プロダクションズの広報担当・川本知子氏は、「現在もウェブショップでの売り上げは好調」と話す。30~50代の男女から支持されており、特に小銭を多く入れられる点が高い評価を得ているという。
