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国税庁から公表されている民間給与実態統計調査を分析すると、給与には3つの山(階層)があることがわかります。この傾向は国税庁の統計が発表されはじめた1997年から大きく変わっていません。この山がなぜ発生しているのかを考えれば、私たちのキャリアを考える基準の一つになります。

年収の山の2つは企業規模で決まっている

2019年の国税庁統計データをもとに、企業の資本金額別に見た、男性の給与階層別の人数を折れ線グラフにしてみました。

そこには3つの山が見えてきます。

第1の山は年収300万円超~500万円以下のところに発生しています。企業規模では、資本金1億円未満の会社で山が発生していることがわかります。資本金1億円以上10億円未満の会社については年収階層が600万円くらいまでのところにも山が伸びますが、おおむね同じ傾向があると考えてもよいでしょう。

第2の山は年収500万円超~700万円以下のところに発生しています。企業規模では資本金10億円以上です。ちなみにこの規模会社の数はおよそ6000社ちょっとで、全企業の0.3%程度を占めるのみです。しかし1社あたり働いている人数が多いので、資本金10億円以上規模の企業で働いている人の数は、全労働者のおよそ18%(平成28年経済センサス)ほどにもなります。

企業規模の違いは生産性の違い

第1の山と第2の山の違いは、中小企業と大企業の違いだと言えます。言い換えると資本金額の違い、ということですが、ではなぜ資本金額と年収とが関係するのでしょう。このあたりの分析は中小企業庁がしっかり行ってくれているのですが、簡単に言うと中小企業の生産性が低いためです。

生産性が低い、ということはつまりもうかってないということなので、従業員に払える給与もどうしても少なくなってしまいます。

ではなぜ生産性が低いのかというと、これも中小企業庁の資料などで指摘されていますが、研究開発などへの投資が少ないとか、人材育成にかける費用が少なかったり、OJTという名目で実際には教育していなかったり、とかが原因のようです。

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