働きながらできる親の介護 公的制度をしっかり確認いまさら聞けない大人のマネーレッスン

2021/2/24

マネー

親の介護が必要になったら公的支援制度の活用も検討する(写真はイメージ=PIXTA)
親の介護が必要になったら公的支援制度の活用も検討する(写真はイメージ=PIXTA)

高齢化が進む中、介護は誰にでも起こりうる身近なものになりつつあります。

介護保険制度で要介護・要支援の認定を受けた人は、2020年11月時点で679万8000人。03年度末の384万人と比べて295万8000人増加しました。今後も介護を必要とする人は増えると予想されています。

親の介護が必要になったとき、離職を選択する人も少なくありません。総務省の資料によると、17年に介護・看護を理由に離職した人は9万9000人でした。

もちろん、一言で介護離職といっても、やむを得ない場合から前向きな退職まで、さまざまなケースが考えられます。ただ、いったん離職してしまうと、再就職が難しい、あるいは再就職しても給与が減ってしまうかもしれません。介護を支援する公的な制度を活用しながら、できるだけ働き続けたいところです。

そもそも、介護を支援する制度にはどういったものがあるのか、ご存じでない方もいるかもしれません。親の介護が必要になって初めて知った、というケースも多いでしょう。

本稿では、介護を支援する公的な制度と、親の介護を考えるポイントをあわせて紹介します。

介護保険の自己負担は1~3割 限度額に注意

まずは「介護保険」の仕組みをみてみましょう。

介護保険は、65歳以上の人が市区町村から「介護や支援の必要がある」と認定されると利用できる制度です(40~64歳までは、特定疾病で認定されると利用できる)。生活支援、身体介護、訪問看護、デイサービスなど、さまざまなサービスを受けることができます。

介護保険が適用されるサービスであれば、自己負担はかかった費用の1割から3割です(前年の所得によって、1割・2割・3割負担の3段階に分けられており、毎年、自治体から送られてくる介護保険負担割合証で確認できます)。

その自己負担には上限が設けられており、一定額を超えると払い戻されます。これを「高額介護サービス費」といいます。

21年度から実施する介護保険制度改正で、高額介護サービス費の負担上限額がこれまで「現役並み所得相当」(年収約383万円以上)なら一律4万4400円/月だったところ、年収約383万~770万円の世帯で4万4400円/月、年収約770万~1160万円の世帯で9万3000円/月、年収約1160万円以上の世帯で14万100円/月になります。(実施は8月からの予定)

ただ、注意したいのは、要支援・要介護の等級ごとに定められた「利用限度額」を超えた分については全額自己負担になるということ。

たとえば、「要介護3」と認定された人が、在宅介護サービスを27万5770円/月、利用したとします。要介護3の利用限度額は27万480円ですので、5290円超過しています。自己負担が1割の場合、27万480円×10%+5290円(超過分の全額負担)=3万2338円が実際に支払う金額となります(1単位10円の場合。地域区分によって異なる)。

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