2021/2/24

保険適用外の費用も考慮

では、保険適用外のサービスがどれくらい必要になるのか、トータルでかかる介護費用はいくらなのか……。どういった介護を受けるかによって、その費用は大きく異なるため、一概にいくらと答えることはできません。

そこで、確認しておきたいのが「親がどういった介護を望んでいるか」と「親の収入・資産はどれくらいあるか」の2点です。

介護にまつわる費用は、原則、親自身のお金でまかないたいところ。子が費用を負担すると、年齢的に出費が多いであろう子自身の家計に影響を及ぼしてしまいます。

ポイントとなるのは、親の年金です。毎月の年金で、月々の介護費用を支払うことができればベストです。親の年金・資産と、親の希望する介護、介護をする家族の事情などをすりあわせて、どういった介護が現実的かを考える必要があります。

ちなみに、生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」によると、月々の介護費用(介護保険サービス自己負担含む)の平均は7万8000円。

加えて、住宅改造や介護用ベッドの購入などの一時費用の合計が平均69万円、介護期間の平均(現在介護を行っている人も含む)は、54.5カ月(4年7カ月) でした。

あくまで平均ですが、1人あたりの介護費用の合計494万1000円となります。

介護休暇・介護休業の制度を活用しよう

介護保険を利用するには、介護や支援の必要があると認定されなくてはなりません。親に介護が必要であると感じたら、まずは介護保険の申請を行います。

申請先は、介護を受ける人が住む自治体の役所の「介護保険担当課」、もしくは高齢者の総合的な支援を行う「地域包括支援センター」です。申請をすると、調査員が自宅などに来て、聞き取り調査を行い、その結果と医師の意見書をもとに判定が行われます。申請から認定通知が来るまでの期間は約1カ月程度です。

申請の手続きを行う際、仕事を休まなくてはいけない場面もあるかもしれません。特に、施設に入所する場合は、入所先を探す、各種の手続き、引っ越しなど、ある程度まとまった時間が必要になります。

そんな介護の体制を整えるために設けられている制度が「介護休暇」「介護休業」「介護休業給付」です。

介護休暇は年5日まで、時間単位で取得可能

介護休暇は、要介護状態(※1)になった対象家族(※2)を介護する従業員に対して与えられる休暇です。

(※1)介護保険制度の要介護状態区分が「要介護2」以上、あるいは厚生労働省の定める基準を満たす場合

(※2)「対象家族」は、配偶者(事実婚含む)、父母、配偶者の父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫などを指します。

介護休暇は、正社員、派遣社員、契約社員、アルバイトの人など、原則、雇用されている人であれば誰でも取得できます。ただ、「入社6カ月未満」「1週間の所定労働日数が2日以下」にあたる従業員は、労使協定で対象外になることもあります。

取得できる日数は、要介護状態にある対象家族1人につき、年間最大5日。対象家族が2人以上の場合は10日取得できます。

21年1月からは、介護休暇を「時間単位」で取得することができるようになりました。通院の付き添いや書類の手続き、ケアマネジャーとの短時間の打ち合わせなどにも活用できそうです。

介護休暇の申し出は、書面による方法に限定されておらず、勤め先によって異なりますが、電話や口頭でも可能かもしれません。また、有給・無給については、法的に定めはなく、会社によって異なります。

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介護休業は通算93日まで取得可能