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働きながらできる親の介護 公的制度をしっかり確認

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NIKKEI STYLE

高齢化が進む中、介護は誰にでも起こりうる身近なものになりつつあります。

介護保険制度で要介護・要支援の認定を受けた人は、2020年11月時点で679万8000人。03年度末の384万人と比べて295万8000人増加しました。今後も介護を必要とする人は増えると予想されています。

親の介護が必要になったとき、離職を選択する人も少なくありません。総務省の資料によると、17年に介護・看護を理由に離職した人は9万9000人でした。

もちろん、一言で介護離職といっても、やむを得ない場合から前向きな退職まで、さまざまなケースが考えられます。ただ、いったん離職してしまうと、再就職が難しい、あるいは再就職しても給与が減ってしまうかもしれません。介護を支援する公的な制度を活用しながら、できるだけ働き続けたいところです。

そもそも、介護を支援する制度にはどういったものがあるのか、ご存じでない方もいるかもしれません。親の介護が必要になって初めて知った、というケースも多いでしょう。

本稿では、介護を支援する公的な制度と、親の介護を考えるポイントをあわせて紹介します。

介護保険の自己負担は1~3割 限度額に注意

まずは「介護保険」の仕組みをみてみましょう。

介護保険は、65歳以上の人が市区町村から「介護や支援の必要がある」と認定されると利用できる制度です(40~64歳までは、特定疾病で認定されると利用できる)。生活支援、身体介護、訪問看護、デイサービスなど、さまざまなサービスを受けることができます。

介護保険が適用されるサービスであれば、自己負担はかかった費用の1割から3割です(前年の所得によって、1割・2割・3割負担の3段階に分けられており、毎年、自治体から送られてくる介護保険負担割合証で確認できます)。

その自己負担には上限が設けられており、一定額を超えると払い戻されます。これを「高額介護サービス費」といいます。

21年度から実施する介護保険制度改正で、高額介護サービス費の負担上限額がこれまで「現役並み所得相当」(年収約383万円以上)なら一律4万4400円/月だったところ、年収約383万~770万円の世帯で4万4400円/月、年収約770万~1160万円の世帯で9万3000円/月、年収約1160万円以上の世帯で14万100円/月になります。(実施は8月からの予定)

ただ、注意したいのは、要支援・要介護の等級ごとに定められた「利用限度額」を超えた分については全額自己負担になるということ。

たとえば、「要介護3」と認定された人が、在宅介護サービスを27万5770円/月、利用したとします。要介護3の利用限度額は27万480円ですので、5290円超過しています。自己負担が1割の場合、27万480円×10%+5290円(超過分の全額負担)=3万2338円が実際に支払う金額となります(1単位10円の場合。地域区分によって異なる)。

保険適用外の費用も考慮

では、保険適用外のサービスがどれくらい必要になるのか、トータルでかかる介護費用はいくらなのか……。どういった介護を受けるかによって、その費用は大きく異なるため、一概にいくらと答えることはできません。

そこで、確認しておきたいのが「親がどういった介護を望んでいるか」と「親の収入・資産はどれくらいあるか」の2点です。

介護にまつわる費用は、原則、親自身のお金でまかないたいところ。子が費用を負担すると、年齢的に出費が多いであろう子自身の家計に影響を及ぼしてしまいます。

ポイントとなるのは、親の年金です。毎月の年金で、月々の介護費用を支払うことができればベストです。親の年金・資産と、親の希望する介護、介護をする家族の事情などをすりあわせて、どういった介護が現実的かを考える必要があります。

ちなみに、生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」によると、月々の介護費用(介護保険サービス自己負担含む)の平均は7万8000円。

加えて、住宅改造や介護用ベッドの購入などの一時費用の合計が平均69万円、介護期間の平均(現在介護を行っている人も含む)は、54.5カ月(4年7カ月) でした。

あくまで平均ですが、1人あたりの介護費用の合計494万1000円となります。

介護休暇・介護休業の制度を活用しよう

介護保険を利用するには、介護や支援の必要があると認定されなくてはなりません。親に介護が必要であると感じたら、まずは介護保険の申請を行います。

申請先は、介護を受ける人が住む自治体の役所の「介護保険担当課」、もしくは高齢者の総合的な支援を行う「地域包括支援センター」です。申請をすると、調査員が自宅などに来て、聞き取り調査を行い、その結果と医師の意見書をもとに判定が行われます。申請から認定通知が来るまでの期間は約1カ月程度です。

申請の手続きを行う際、仕事を休まなくてはいけない場面もあるかもしれません。特に、施設に入所する場合は、入所先を探す、各種の手続き、引っ越しなど、ある程度まとまった時間が必要になります。

そんな介護の体制を整えるために設けられている制度が「介護休暇」「介護休業」「介護休業給付」です。

介護休暇は年5日まで、時間単位で取得可能

介護休暇は、要介護状態(※1)になった対象家族(※2)を介護する従業員に対して与えられる休暇です。

(※1)介護保険制度の要介護状態区分が「要介護2」以上、あるいは厚生労働省の定める基準を満たす場合

(※2)「対象家族」は、配偶者(事実婚含む)、父母、配偶者の父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫などを指します。

介護休暇は、正社員、派遣社員、契約社員、アルバイトの人など、原則、雇用されている人であれば誰でも取得できます。ただ、「入社6カ月未満」「1週間の所定労働日数が2日以下」にあたる従業員は、労使協定で対象外になることもあります。

取得できる日数は、要介護状態にある対象家族1人につき、年間最大5日。対象家族が2人以上の場合は10日取得できます。

21年1月からは、介護休暇を「時間単位」で取得することができるようになりました。通院の付き添いや書類の手続き、ケアマネジャーとの短時間の打ち合わせなどにも活用できそうです。

介護休暇の申し出は、書面による方法に限定されておらず、勤め先によって異なりますが、電話や口頭でも可能かもしれません。また、有給・無給については、法的に定めはなく、会社によって異なります。

介護休業は通算93日まで取得可能

介護休業は、2週間以上、要介護状態にある対象家族を介護する場合に取得できる休暇です。

上の介護休暇と同じく、多くの従業員が取得できる制度となっています。ただし、1日ごとに契約期間が満了する「日々雇用」の従業員は対象外、有期契約社員は一定の要件(※3)を満たす必要があります。

(※3)(1)入社して1年以上経過していること (2)介護休業取得が可能な93日を経過して、6カ月以上の契約が認められていること。また、入社1年未満の従業員、1週間の所定労働日数が2日以下の従業員と、介護休業取得後93日以内に雇用関係が終了する従業員は、労使協定により対象外になることもあります。

取得できる日数は、要介護状態にある家族1人につき3回まで、通算93日まで取得できます。介護休業を利用するためには、休業開始日の2週間前に書面などで、勤め先に申し出る必要があります。

介護休業中に、賃金が減少、あるいは支払われなかった場合には、「雇用保険に加入している」「家族の常時介護のため2週間以上の休業が必要」「職場復帰を前提として介護休業を取得する」といった要件を満たすと、介護休業終了後に「介護休業給付金」が支給されます。介護休業給付の給付額は「賃金(日額)×支給日数×67%」相当です。

その他にも、残業免除や深夜残業の制限など、介護の必要に応じて、勤務時間を短くする制度もあります。企業によっては、介護相談の場を設けて独自の両立支援策を実施していることもありますので、介護が必要になった際は人事担当者に問い合わせてみましょう。

困ったら、地域包括支援センターで相談を

以上、介護を支援する制度について、簡単に紹介しました。

スムーズに介護の体制を整えるには「親がどういった介護を望んでいるか」と「親の収入・資産」の2点を知っておく必要があります。

とはいえ、親が元気なうちには聞きづらい話題かと思われます。エンディングノートなどを用いてさりげなく確認するなど、上手な方法を考えてみましょう。

また、介護については、介護保険の申請先である「地域包括支援センター」で相談することができます。困ったことは考え込まずに相談することをおすすめします。

井戸美枝
ファイナンシャルプランナー(CFP)、社会保険労務士。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門にし、解説している。社会保障審議会企業年金・個人年金部会委員。確定拠出年金の運用に関する専門委員会委員。経済エッセイストとして活動。近著に「一般論はもういいので、私の老後のお金『答え』をください! 」(日経BP)、「残念な介護 楽になる介護」(日経プレミアシリーズ)、「100歳までお金に苦労しない定年夫婦になる!」(集英社)、「届け出だけでもらえるお金」(プレジデント社)、「受給額が増える!書き込み式得する年金ドリル」(宝島社)など。

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