■6位 節句人形の生産量のシェアが最も高いのは? 356人
(1)埼玉県 (2)東京都 (3)富山県 (4)福岡県
岩槻人形協同組合

ひな人形や五月人形などの節句人形の生産量・額は埼玉県が日本一。特にさいたま市(旧岩槻市)を中心とした地域は、材料となる桐(きり)の産地で、塗装に使う良質な水にも恵まれていたため一大生産地として栄えた。

岩槻人形=写真=のほか、江戸木目込人形も埼玉県の伝統的工芸品として指定されている。2020年には日本初の公立の専門博物館として、さいたま市に「岩槻人形博物館」が開館。5000点以上の人形や資料が所蔵されている。

<正解は(1)>

■7位 泥染めの技法で糸を染める「本場大島紬」の産地は? 464人
(1)大分県 (2)鹿児島県 (3)熊本県 (4)東京都

大島紬の「大島」は鹿児島県の奄美大島のことで、1300年もの歴史がある。今では鹿児島市や宮崎県にも産地は広がっている。糸を染める「泥染め」の技法は特に有名で、渋い風格がある高級絹織物として評価が高い。

(4)東京都の誤答が約3割あったが、東京には伊豆大島がある上、「村山大島紬」という伝統的工芸品もあるため、混同しやすい。60代の女性の正答率は6割と年代別では最も高かった。「本場大島紬」は単に「大島」とも呼ばれる。

<正解は(2)>

■8位 「瀬戸物」とも呼ばれる焼き物で有名なのは? 484人
(1)愛知県 (2)岡山県 (3)香川県 (4)福岡県

一般に「瀬戸物」は陶磁器の通称だが、もともと愛知県瀬戸市を中心とした瀬戸焼から広まった。「瀬戸内」を連想したのか岡山県、香川県の誤答がともに2割強あった。北陸・中部の人の正答率は7割弱と高い。

愛知県では瀬戸染付焼(写真左)と赤津焼(右)に加え常滑焼、三州鬼瓦工芸品なども伝統的工芸品に指定されており、良質な土に恵まれ古くから焼き物が盛んな土地だ。西日本では陶磁器を「唐津物」と呼ぶこともある。

<正解は(1)>

■9位 新潟県の織物でないのは? 530人
(1)塩沢紬 (2)小千谷縮(おぢやちぢみ) (3)結城紬 (4)十日町絣(とおかまちがすり)
小千谷観光協会

結城紬は古くから養蚕業が盛んだった茨城県結城地方の織物で、隣接する栃木県小山市などでも生産されている。日本を代表する伝統的工芸品の高級絹織物。

塩沢紬、小千谷縮、十日町絣はいずれも新潟県の地名がつく伝統的工芸品の織物。同県には伝統的工芸品の織物が計7つある。独特のしわが味わい深い小千谷縮は雪ざらし=写真=をすることで麻生地が漂白される。小千谷の麻織物の歴史は古く、国の重要無形文化財でもある。

<正解は(3)>

■10位 山形県天童市の将棋駒の全国シェアは? 585人
(1)約60% (2)約70% (3)約80% (4)90%以上

江戸時代後期に、生活の困窮にあえぐ下級武士の内職として駒作りが奨励されたのが天童将棋駒の始まりとされる。高級品はツゲの木を削り、漆で字を盛り上げて作られる。天然素材であるがゆえの木目の美しさも特徴だ。

全国の9割以上を生産する山形県天童市では、電柱や郵便ポストなどにも駒をかたどったオブジェがある。最近の将棋ブームで将棋駒の生産も上向いているという。北海道・東北の人は67%という高い正答率だった。

<正解は(4)>

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継がれる技と材料 「用の美」が魅力