中国版ゼクシィで奮闘 障害者スポーツ大会観戦が原点柏村美生・リクルートマーケティングパートナーズ社長(上)

柏村美生・リクルートマーケティングパートナーズ社長(写真は同社提供)
柏村美生・リクルートマーケティングパートナーズ社長(写真は同社提供)

リクルートマーケティングパートナーズ社長の柏村美生氏。自らの提案でリクルート初の海外事業に挑む一方で、多くの失敗や挫折も経験したという。柏村さんは有名進学校の桐蔭学園高校(横浜市)を経て明治学院大学で社会福祉を専攻した。リクルートグループの次世代トップリーダーにキャリア形成の軌跡を語ってもらった。

(下)障害者との旅で痛感 リクルート柏村さんの人生の転機 >>

リクルート初の海外事業、上海に6年間単身赴任

私は今、オンライン学習サービスの「スタディサプリ」や結婚情報サービス「ゼクシィ」、中古車情報サービス「カーセンサー」を手掛けるリクルートマーケティングパートナーズの社長を務めています。

新型コロナウイルス感染が拡大する中、デジタル教育のニーズは増えましたが、ブライダル市場は緊急事態宣言に伴う結婚式延期など厳しい経営環境下にあります。激動の時代を迎えていますが、私の人生も紆余曲折(うよきょくせつ)の連続でした。1998年にリクルートに入社し、「中国版ゼクシィ」事業をやろうと提案し、29歳から6年間、上海に単身赴任しました。

意外かもしれませんが、当時のリクルートは欧米でも事業をやっておらず、実は初めての海外事業。他の部門の担当者を含め3人で駐在しましたが、最初、東京のスタッフは給料の送金方法の仕組みから構築しなくてはいけないため戸惑っていました。日本とは、ルールや商習慣も全く違います。しかも私は結婚したばかりで、中国語も全然しゃべれませんでした。今から思えば、無謀な挑戦だったと思います。

ただ、メディア規制もある中、当時の中国の若者たちはブライダル関連の情報を渇望していました。グループインタビューなどで、日本語で編集された「ゼクシィ」を見てもらうと、目を輝かせながら読んでいたのです。じゃあ、中国版を現地の人に届けたいと。リクルートは「やりたい仕事をやりたい人がやれば」という文化。もちろんその責任は問われますが、私が気づいたのだから、私がやろうと至極自然に新規事業に乗り出しました。

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