転職は「仕事」のつもりで時間をかけて

◆ ダンネット 林正史社長の話

最近、一度に5、6社、場合によっては10社など多くの会社に一度にエントリーする人が目立つ。必ずしも実際に転職したい仕事ではなく、自分が希望する業種や職種であれば、とりあえず応募しているといった印象だ。20年秋ごろから選考ハードルが高くなり、心理的に余裕がないのは理解するが、こういった姿勢の人は大抵、転職先がなかなか決まらない。

「毎日15分、転職サイトを見る」「1日1回、エージェントと面談する」という程度で、転職活動をした気になっている人が多いが、転職を成功させるには「仕事」として時間をかけて取り組むことが必要だ。仕事で納期を徹底するように、転職活動でも「いつまでに必ず転職する」と、自分自身で目標を設定することから始めたい。そこから逆算し、例えば「仮に『4月に入社する』と決めた場合、3月中に内定が欲しい→2月前半までに5社程度の書類選考を通らないといけない→(歩留まりが5割として)1月中に最低10社の書類を準備しないといけない」というようにスケジュールを決める。

企業研究についてはまず求人票を深く読み込むとよい。不明な点はエージェントに聞き、自分の経験・スキルとマッチする職務内容かどうか、エントリーすべきかどうか、判断する。相談するエージェントは3社程度がおすすめだ。大手は求人件数が多い、中小はきめ細かいなど、それぞれ長所があるので、各社から相性のよい人を見つけよう。ただ、エージェントはあくまでも側面支援する「秘書」の役割で、最後にどの会社に入社するかなど、重要な判断を下すのは自分自身だ。

面接で一番重要なのは1次面接ではないか。組織内の情報は下から上に上がるもので、1次面接を実施した人事部の評価を後から覆すのは非常に難しい。面接には(過度に低姿勢になることなく)対等な気持ちで臨んでほしい。カルチャーやスキル面での入社後のミスマッチを防ぐ意味でも、求人票では分からないこと、人事部にしか聞けないことを積極的に質問するとよいだろう。

(日経転職版・編集部 宮下奈緒子)

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