少子高齢化が進んだ2040年の世界は想像するだけでも恐ろしい。団塊世代が90歳、団塊ジュニア世代が65歳になる。そして、団塊ジュニアの4割が集中するのが首都圏だ。膨大な数の都民が高齢化を迎える。見渡す限り老人だ。過疎地ではすでに現実になっている老老介護が現実のものになる。東京都の年少人口(15歳未満)が占める割合は2019年は11%だったが、2040年以降には10%を割り込む。子育て支援に力を入れようとしても、対象となる子どもがいなくなるのに歯止めがかからない皮肉な状態だ。

あたりまえだが、人口は最も読みやすい。2040年の労働人口は確定している。

10年後に出生率が上がったところで、もう食い止められない。現状の延長線上にある未来はこうした世界だ。

国の財源は、私たちの社会保険料からまかなうしかない

働く人の数が増えないとなれば、所得税や法人税が自然に増えることも期待しづらい。そんな中、財政を考えるなら、現実的には歳入を増やすしかない。しかし、財源の確保は困難だ。

歳入を増やすと聞いて考えられるのは、まず消費増税だろうか。2019年10月に8%から10%に引き上げられた。安倍晋三前首相は今後10年程度は再引き上げしない方針を示していたが、有言実行となれば財政状況はさらに悪化するだろう。

有識者からは、消費増税を先延ばしにすれば2030年以降に消費税率を20%以上に倍増せざるをえないとの指摘もある。国際機関のまなざしも厳しく、OECD(経済協力開発機構)は最大26%に、IMFは段階的に15%まで引き上げることを日本に提唱している。

消費増税に踏み切らなければ、社会保険料を引き上げるしかない。そもそも社会保険料はすでに上昇の一途だ。給与明細を見てみよう。賃金上昇を上回るペースで社会保険料の負担が上昇している。

10年前に比べて社会保険料の負担率は、ひとりあたり26%増えているが、賃金は3%しか伸びていない。これでは、勤労意欲を失う人も多いだろう。先進国の中で、ただでさえ低い生産性がさらに下がる可能性がある。負の循環に陥れば経済成長は落ち込み、さらに国の財政は厳しくなる。

2040年はお先真っ暗だと思われた方がほとんどだろう。

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ここでは、本書のうちの一部分だけを紹介した。書籍では、来るべき未来のために、みなさんの懐を大きく痛めずに、私たち個人は何をすべきなのか、そして国の歳入がどうすれば増えるのかも考えている。興味が沸いたら、ぜひご一読いただきたい。

(日経BP 中野亜海)

成毛真
 1955年北海道生まれ。元日本マイクロソフト社長。
 86年日本マイクロソフト入社。91年、同社社長に就任。2000年に退社後、投資コンサルティング会社「インスパイア」を設立。現在は、書評サイトHONZ代表も務める。
 『amazon 世界最先端の戦略がわかる』『アフターコロナの生存戦略 不安定な情勢でも自由に遊び存分に稼ぐための新コンセプト』『バズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せる』など著書多数。

2040年の未来予測

著者 : 成毛 眞
出版 : 日経BP
価格 : 1,870 円(税込み)

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