日経Gooday

「どんな人でもそうですが、何かを我慢するようなダイエットは続かないですよね。お酒や食事を常に制限するよりも、たまには飲み過ぎたり食べ過ぎてもいい、と考えるのはどうでしょう。毎日体重計に乗る習慣を身につければ、体重が増えてしまったときにすぐ気づきます。そうしたら、なるべく早く『野菜のシャワー』で“調整”すればいいのです」(岸村さん)

なるほど。たまに食べ過ぎたり飲み過ぎたりしても、後から“調整”すればいい、と思えば気が楽だし、続けられそうだ。酒と料理を楽しむ余裕も生まれる。

そして、毎日体重計に乗り、自分の体重を記録しておくことも重要。それだけで食べ過ぎ、飲み過ぎの抑止力になるからだ。

「さらに進んで、スマートフォンのダイエットアプリで自分が食べたり飲んだりしたものを記録していくと、効果が高まります。最近のアプリは優秀で、自分が食べたメニューや、飲んだお酒の種類と量を入力するだけで、摂取カロリーが計算されるものもあるので、ぜひ活用してください」(岸村さん)

前回も述べたように、アルコールはエンプティ(ゼロ)カロリーではなく、1g当たり7kcalのエネルギーがある。飲んだお酒のカロリーも記録しておけば、後から「どれだけ飲めば、どれだけ太るのか」についても振り返ることができる。

宅飲みでもすぐ用意できる、ダイエットつまみ5選

次に岸村さんに聞きたいのは、太らない、ダイエットに向いたおつまみは何か、ということだ。今後、宅飲みが続くことを考えると、自分でも手軽に準備できるものだとなおいい。

「その条件からすると、私がお勧めするのは、次の5つですね」(岸村さん)

ダイエットに向いたおつまみはこの5つ!

岸村さんが今回挙げてくれたのは、「生キャベツ」「酢の物」「きのこ料理」「枝豆」「甘栗」という5つだ。それでは、この5つについて、それぞれ解説してもらおう。

まずは、生キャベツから。

◇   ◇   ◇

「生キャベツは、よくかむことによって満腹中枢が刺激されます。食後の血糖値の上昇を抑える働きもあり、かつ体脂肪の蓄積も防いでくれます。また食物繊維も豊富で、腸内環境の改善にも役立ちます。食事の前に食べておくと、食べ過ぎ防止にも一役買ってくれます」(岸村さん)

串揚げや焼き鳥のお店でよくお通しに出てくる生キャベツにそんな効果があったとは。よし、これからは宅飲みのときにも、生キャベツを酒の傍らに置くことにしよう。岸村さんによると、キャベツはダイエットだけではなく、ほかの意味でも酒好きにとって最高の相棒でもあるようだ。

「お酒を飲むと体の中で『炎症反応』が起こりやすくなります。二日酔いになると、頭や胃が痛くなりますが、それらも炎症反応が原因の一つと考えられています。アルコールで引き起こされる炎症反応によって、腸内環境や免疫にもダメージが与えられてしまうことがあります。キャベツには、ビタミンCやイソチオシアネートといった、炎症を抑える抗酸化成分を多く含んでいます。また豊富なビタミンUが胃の粘膜を保護してくれる効果も期待できます。これらの成分は熱に弱いので、生で食べるか、加熱するにしても3分以下にしましょう」(岸村さん)

お酢はダイエットにおいて積極的に使いたい調味料

続いて、酢の物だ。

「お酢は、ダイエットにおいて、積極的に使いたい調味料です。発酵食品でもあるお酢は、酢酸による脂質の燃焼促進をはじめ、血圧、血糖値、コレステロールの値を下げる効果が期待できます。お酒のおつまみであれば、わかめときゅうりなどの酢の物はいかがでしょう? お酢を加えることによって、わかめに多く含まれる水溶性食物繊維と酢の相乗効果で糖質の吸収が緩やかになります」(岸村さん)

調味料にお酢を使えば、減塩にも役立つという。さらに、煮込み料理に使えば、うまみやコクが出るので、調味料としても優秀だ。

発酵食品といえば、「味噌や酒粕などもいい」と岸村さん。「発酵食品と食物繊維は腸内環境を整え、排泄をスムーズにしたり、腸内でつくられる短鎖脂肪酸により代謝機能もアップする」という。

◇   ◇   ◇

きのこと枝豆については、前回、「正月太り解消のため積極的にとりたい食材」として紹介した。

きのこは、食物繊維が豊富な上に、アルコールや脂質の代謝に必要なビタミンB群もたくさん含んでいる。好きなきのこをツナと一緒にサッと炒めるだけで、簡単におつまみが作れる。

「前回もお話ししましたが、枝豆は、糖質をエネルギーに変えてくれるビタミンB1、食物繊維、たんぱく質もたっぷりで、ダイエットの強い味方。お酒を飲まない日でも、湯がいて食卓に並べるのもいいでしょう」(岸村さん)

ダイエットするならナッツより甘栗?

最後に、甘栗だ。

軽めのつまみとして定番の“乾きもの”といえばナッツだが、岸村さんによると「ダイエットを考えるなら、つまみはナッツより甘栗がお勧め」とのこと。

ナッツは、ビタミンやミネラルが豊富で健康効果もあると思っていたが、どうなのだろう。

「間食のときケーキの代わりにナッツを食べるなら、肥満予防になると思います。ただ、お酒のつまみとしては意外とカロリーが高くて、つい食べ過ぎてしまう人は要注意です。コンビニで売られているミックスナッツは100gで600kcal以上もあり、一般的な焼き魚定食とそう変わりません。その点、甘栗は脂質が少なめで、糖質を燃やすために必要となるビタミンB群、食物繊維も豊富。コンビニで売られている甘栗は、35g入りの1袋で65kcal程度[注1]と低カロリーなので、ダイエット中でも安心です」(岸村さん)

「お酒に甘栗?」と思ったが、試してみると、これがまた意外とよく合う。塩分も含まれていないので、むくみも心配ないし、一石二鳥である。

[注1]日本食品成分表2020年版(八訂)の「甘ぐり」は100gで207kcalとなっている。

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