血中酸素濃度・睡眠分析…体を知る活動量計比べてみた
新型コロナウイルス感染症対策で自宅で過ごす時間が増え、運動不足から健康を気にする機会が増えた人は多いだろう。健康管理の基本はまず体の状態を把握すること。そこで役立つのが「活動量計」と呼ばれる機器だ。安価なものから医療機器認証を取得したものまで様々な製品があるので、自分に必要な機能を持つものを選ぶことが大切だ。
活動量計は、腕時計型のボディーに搭載した様々なセンサーで運動量や体の状態を測定してくれる機器だ。測定したデータをスマートフォンに送り、アプリで見やすくグラフ表示したり、運動不足や睡眠不足などを使用者に教え、対策をアドバイスしてくれたりする。
腕時計型の多機能端末であるスマートウオッチに分類される製品も多く、ほとんどの製品ではスマホに届いたSNS(交流サイト)やメールなどの通知も確認できる。
測定できる項目は製品によって異なる。心拍数、歩いた歩数や階段を上った階数、消費カロリー、睡眠時間や睡眠の質などは多くの製品で測定できる。製品によってはランニングや水泳などの運動の記録、全地球測位システム(GPS)による場所移動の記録、ストレスレベルの測定もできる。ただし医療機器認証を受けた製品は少ないので、測定結果はあくまで健康管理の目安と考えよう。
アップルのアップルウオッチシリーズはスマートウオッチの代名詞だ。最新モデルの「Apple Watch Series6」は、交通系電子マネーのSuicaとして使える機能があるほか、多くのメーカーが提供する多彩なアプリが利用可能だ。
活動量計としても充実した機能を備え、血中酸素濃度の測定や、アップデートによって簡易的な心電データの取得もできるようになった。注意したいのは、対応するスマホがiPhoneだけである点。アンドロイド搭載機種とは連携しない。直販価格は4万2800円(税別)から。
一方、活動量計の人気メーカー、フィットビット・ジャパンの「Fitbit Sence」は、特に操作をしなくても自動でランニングの記録が取れるなど、フルオートで様々な測定ができる。睡眠の質の細かな分析、ストレス管理機能、皮膚温を記録して体調変化に気づきやすくするなど、運動の記録と健康管理に強い製品だ。実勢価格は4万円前後。
活動量計が自分に合うかどうか試してみたい人に向いているのが、実勢価格3200円前後で購入できる小米(シャオミ)の「Miスマートバンド4」だ。細長いバンド型の製品で、低価格ながらランニングや水泳など運動の記録、心拍の記録、睡眠の分析、スマホからの通知の表示など一通りの機能を備える。
他にない独自の機能を備えた製品もある。HEALBE JAPANの「GoBe3」は、独自の技術で食事などで摂取したカロリーを測定できる。そこから消費カロリーを差し引いて表示できるので、減量の目安にもなる。体内の水分バランスも測定でき、必要に応じ水分補給を促してくれる。実勢価格は3万円前後。
オムロンの「ハートガイド」は血圧計を搭載した製品。カフと呼ばれる袋を膨らませて測定する、一般の血圧計と同様の仕組みをベルト内側に備え、医療機器認証を取得している。外出中にどこでも血圧測定ができ、脈拍、歩数、消費カロリー、睡眠なども計測できる。設定した服薬時間を通知する機能もある。実勢価格は8万8000円前後になる。
(ライター・日経PC21 湯浅 英夫)
[日本経済新聞夕刊 2021年2月6日付け]
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