大河主演の吉沢亮 「まだ早い」と言われる挑戦したい吉沢亮インタビュー(下)

日経エンタテインメント!

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芸能界入りは2009年の吉沢亮。21年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』で平成生まれとして初めて主演を務め、渋沢栄一を演じている。撮影現場の様子など語った前回の「『青天を衝け』吉沢亮 渋沢栄一をエネルギッシュに」に引き続き、今回は映画やミュージカル、今後の展望について話を聞いた。

1994年2月1日生まれ、東京都出身。近作にドラマ『半沢直樹スピンオフ企画~狙われた半沢直樹のパスワード~』、映画『さくら』など。出演映画『東京リベンジャーズ』が2021年公開予定(写真:藤本和史)

『AWAKE』は、上映館数約50と中規模ながら、昨今映画界で気炎を吐くキノフィルムズの企画で、同社の第1回木下グループ新人監督賞を受賞、ニューヨーク大学で映画を学んだ新鋭・山田篤宏の初長編作だ。

幼少の頃からのライバル・陸(若葉竜也)に負けたことで棋士の道を諦めた青年・英一(吉沢)は、無気力な大学生活を送るなかで、ひょんなことからコンピューター将棋に出合う。やがて英一は、そのプログラミング開発にのめり込んでいき、今度はコンピューター将棋の開発者として再び陸と対戦することとなる。

「将棋しか持っていなかった男がそれを失うことによって、挫折しながらも、また新しい道を見つけていく。とてもストレートな物語で、僕はそれがすごく好きです。撮影では将棋を指す手元を映すことが多かったので、指の形や角度などは、監督などとかなり話し合いながら緻密に演じて。将棋ファンの方々はやっぱりそういうところも見られると思うので、そこはしっかりこだわりました。英一自身はあまり多くを話すタイプではなく、主にしぐさや行動で感情を表す人。英一の小さい頃を演じていた子役の梅谷祐成君がすごく良い芝居をしていたので、自分の対局シーンでは彼が行っていた目の動きや体の動き方などをくみ取って演じました。同じ人間を演じているのでそこは大切に、というか、単純に僕がマネさせてもらっただけなんですけど(笑)。

この作品も周りの役者の方々が本当に素晴らしくて、お芝居をしていてすごく楽しかったです。若葉君とは4シーンぐらいしかご一緒していないしセリフは一言も交わしていないんですけど(笑)、でも強烈に印象に残るお芝居をされていて。撮影をしている段階からいい作品になるなという実感があってうれしかったですし、出来上がったものを見ても、やっぱりすごくいいなって。これまでに出演させていただいた作品のなかでも、特に好きかもしれません」

20年12月6日まで上演されていたミュージカル『プロデューサーズ』も、吉沢にとっては大きな刺激を受ける仕事になった。

「東急シアターオーブというあれだけ大きな劇場に、あれだけのお客さんが入っていて。これまでとは何か違う舞台の景色を見ているような気がしたと言いますか。うまく言えないんですけど、『この人たちは本当に全員、自分たちの芝居を見に来てくれているんだ』という、どこか不思議な感覚になっていたんです。エンタテインメント色が濃い作品だからでもあるんでしょうけど、観客の方々の笑い声や拍手などと一緒に1つの作品を作り上げているなという感覚がありました。それはきっと、このご時世の中でお客さんを入れて行うことができたという喜びもあったんだと思います。

20年はそういう意味でも、いろいろと考えることが多い年でした。撮影していた作品が2本くらい途中で止まってしまって、どうなるのか分からない状況になって。再開されてからもマスクを着用してリハーサルに臨むという、今までだったらありえなかったことが当たり前になって、これまでは普通だったことが、どんどん難しくなっている――ちゃんとしたエンタテインメントを届けるためにはそれをやらなくちゃいけないということを頭では理解しているんですけど、なかなか素直には受け入れられない部分もあって。すごく難しいなあと思いました。

大河ドラマの現場でも演出の方が最初はマスク姿でのリハーサルに戸惑っていらして、『リハしてみたもののどんな表情をしてるのか分かんないから、とりあえず1回本番をしてみよう』みたいな感じで始まりました」

大河ドラマの現場は規模がひときわ大きく、日本のドラマ作りのなかでも、最もいい環境だ。その中心にいる今、吉沢自身が芝居で心掛けていることは?

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