米軍のパンツに着想 時代を問わない普遍性
「オフィスカジュアルでは細身のシルエットが好まれることが多いと思います。ただ、ミリタリーを起源とするチノパンの歴史を考えると、太めの方が正統派とも言えます」
そう語るのは、東京・銀座などに直営店を構える「KURO(クロ)」の統括製造販売部マネージャー、江原圭吾氏だ。条件に合うアイテムとして紹介してくれたのは、1941年に製造されたアメリカ陸軍のチノパンを参考にした1本だ。
「参考にしたチノパンは80年経った今でも服好きに愛される名作です。ゆったりしたシルエットに加え、フロントのポケットの形状や縫製に至るまで、当時のビンテージのチノパンのディテールを踏襲しています。時代を問わない普遍性に注目してほしいですね」
チノパンの原型とも呼べる一本のようだが、今着こなすならどんなコーディネートがいいだろうか。
「メンズファッションの基本型がセットアップということもあり、同系色でまとめると全体に統一感を持たせられます。ベージュのダウンや、イエロー系のスニーカーと合わせてみるのはいかがでしょうか」
チノパンの“おじさん”感を払拭 シルエットもテーラー顔負け
東京・高円寺のセレクトショップ「Lampa(ランパ)」店主の遠山勇氏にも話を聞いた。選んでくれたのは、日本発のブランド、Barnstormer(バーンストーマー)の1本だ。


「国内で数件の工場しかできない特殊な加工を施した、高級感のある独特のハリと光沢のある生地が特徴です。チノパンがおじさんっぽく見えてしまうことがあるのは、生地のチープさによるところも大きい。このパンツならそのような心配はいりません」
生地が上質なだけでなく、作りのよさも際立っているという。
「縫製はスーツ工場の熟練した職人が行っています。縫製を熟知したパタンナーが手がけた、流れるようなシルエットも魅力的。上品に着こなせるので、ビジカジにはうってつけの一本です。パーカーやナイロンジャケットといったカジュアルなアイテムとの組み合わせも意外性があって面白いと思いますよ」
文:FACY編集部 山梨幸輝(https://facy.jp/)

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